スラーヴヌイ (駆逐艦)

スラーヴヌイ：ソ連の駆逐艦、その生涯

スラーヴヌイ（ロシア語: Славный）は、ソ連海軍が建造したストロジェヴォイ級駆逐艦の6番艦です。艦名はロシア語で「名誉ある」「光栄ある」といった意味を持ちます。この艦は、その誕生から終焉まで、激動の時代を駆け抜けました。

建造と初期

スラーヴヌイの建造は、1936年8月31日にレニングラード（現在のサンクトペテルブルク）の第189工場（バルト連合）で始まりました。当初はグネフヌイ級駆逐艦として7号計画に基づいて起工されましたが、設計上の欠陥から7U号計画型（ストロジェヴォイ級駆逐艦）として再設計されることになりました。これにより、1939年1月31日に改めて再起工されました。進水は同年9月19日、そして竣工したのは1941年5月31日と、起工から約5年の歳月を要しました。

竣工後、スラーヴヌイは1941年6月19日に赤旗バルト艦隊に配備されました。しかし、そのわずか3日後にはナチス・ドイツがソ連に侵攻し、大祖国戦争（独ソ戦）が勃発しました。

大祖国戦争での活躍

大祖国戦争中、スラーヴヌイはバルト海での作戦に参加しました。開戦直後の1941年11月から12月にかけては、タリンやハンコ半島からの守備部隊の撤退作戦を支援しました。しかし、11月3日には友軍であるMO-2級小型駆潜艇第112号を誤って砲撃し、撃沈してしまうという痛ましい事故も起こしています。

その後、スラーヴヌイは1944年1月のレニングラード包囲戦における赤軍の反攻作戦であるクラースノエ・セロー＝ロープシン作戦や、同年6月のヴィボルク反攻作戦に参加し、戦局の転換に貢献しました。

戦後の役割と終焉

終戦後、スラーヴヌイは1947年7月10日から1955年7月6日まで、近代化改修を兼ねた大規模な修理を受けました。この改修後、1947年8月には同型駆逐艦ストローギイ、ストローイヌイ、A-1級魚雷艇TK-248、TK-589、A-3級魚雷艇TK-420とともに演習に参加しました。また、この時期にスラーヴヌイは、旧ドイツ航空母艦グラーフ・ツェッペリンにとどめの雷撃を加えて撃沈したとされています。しかし、この情報については、一部文献ではグラーフ・ツェッペリンは浮揚後、標的艦としてソ連に利用されたともされており、事実関係の精査が必要です。

1960年2月6日、スラーヴヌイは艦種が標的艦（Корабль цель）に変更され、名称もTsL-44（ЦЛ-44）となりました。さらに、1961年6月30日には浮き的（Плавучая мишень）となり、SM-20（СМ-20）と改称されました。そして、1964年3月4日に海軍から除籍され、リエパーヤで解体されました。

スラーヴヌイの遺産

スラーヴヌイは、その生涯を通じて様々な役割を担いました。駆逐艦としての戦時における活躍、戦後の近代化改修、そして標的艦としての役割まで、その変遷はソ連海軍の歴史を物語っています。また、スラーヴヌイの名前は、後に建造された大型対潜艦にも受け継がれ、その遺産は今日もなお語り継がれています。

関連項目

大型対潜艦スラーヴヌイ（61-M号計画型）

参考資料

Эскадренный миноносец проекта 7У "Славный" （ロシア語）
"Сообразительный" и другие Эскадренные миноносцы проекта 7У （ロシア語）
Тип "Сторожевой" (проект 7у) - 18 единиц （ロシア語）
Строительство эскадренных миноносцев. / Эскадренные миноносцы пр. 7у. （ロシア語）
Эскадренные миноносцы пр.7У типа "Сторожевой" （ロシア語）
“МОШКИ” （ロシア語）
Электроэнергетические системы кораблей （ロシア語）
* Черноморский Флот / Эскадренный миноносец пр.7У - общий вид （ロシア語）

もう一度検索