スルトの剣

アルシャード リプレイ『スルトの剣』

『スルトの剣』は、テーブルトークRPG『アルシャード』のリプレイ作品です。ゲームマスターであり、ライターでもある菊池たけし氏が執筆を担当し、石田ヒロユキ氏がイラストを手がけています。

初出は『ゲーマーズ・フィールド』8th season Vol.5（2004年6月発売）。2005年には『アルシャードff』の発売に合わせて、リプレイ『オーディンの槍』と共にファミ通文庫から出版されました。

兄弟編にあたる『オーディンの槍』と同様に、リプレイで使用されているルールは『アルシャード』（ルール第一版）ですが、文庫版の発行にあたり『アルシャードff』に沿った修正が施されています。

概要

このリプレイは、『アルシャード』（ルール第一版）のサプリメント『ティル・ナ・ノグ』の紹介を目的として制作されました。

『アメージング・ワールド』に続く読者投稿データ集第二弾という側面も持つ『ティル・ナ・ノグ』は、現代地球や妖精界などの異世界から来た人物をPCとしてプレイできるサプリメントです。同書では、8つの新しいキャラクタークラスの1つとして、「異世界からの来訪者」である「ストレンジャー」が追加されました。このストレンジャーという新要素を強くアピールするため、『ナイトウィザード』リプレイのPC・柊蓮司がPCの一人として採用されています。また、PCの一人であるキサラのキャラクタークラス「サモナー」も『ティル・ナ・ノグ』で追加されたクラスです。

あらすじ

物語は『黒き星の皇子』の直後から始まります。現代の地球で、人間社会を影から守る「ウィザード」である柊蓮司は、守護女神アンゼロットから魔王退治の任務を押し付けられます。その魔王は、柊の持つ魔剣でなければ倒せない運命にあるというのです。

任務に同行するウィザード「七瀬晶」と出会いますが、彼女もまた柊と同じ魔剣を持っていました。二人は魔王が潜む異空間で決戦に挑みますが、柊が止めを刺すのに失敗し、代わりに晶が魔王を倒します。しかし、その際に異空間の次元の裂け目に二人の魔剣が吸い込まれ、柊だけが元の世界に戻されます。

晶を探す柊は、謎の手によって異空間に引きずり込まれ、そこでキサラという少女に出会います。キサラは柊に、彼こそが世界「ミッドガルド」を救う勇者だと告げます。

ミッドガルドは、神話の時代に封じられた「七つの奈落」の復活という危機に瀕していました。対奈落騎士団エクスカリバーに所属するキサラは、危機を救えるのは異世界の魔剣とその使い手だと予言に記されていると言います。柊の魔剣は行方不明でしたが、キサラの師であるシャーナの情報により、ミッドガルドにあることが判明します。さらに、晶の魔剣もまた……。

晶は柊の魔剣と共にミッドガルドに飛ばされてきたのか？　柊が世界を救うという予言とは？　そして、「柊はミッドガルドを滅ぼす」という第二の予言も現れ、事態は混迷を深めます。柊は、アイギス戦団や真帝国の追撃をかわしつつ、魔剣を回収するため、神山ミョルニル山近くに封印された古代戦艦レーヴァテインへと向かいます。レーヴァテインに乗り込み魔剣を手にしたとき、予言の真実が明らかになるのです。

登場人物

柊蓮司 (矢野俊策): ストレンジャー / ソードマスター / ファイター。異世界からの来訪者であり魔剣使い。
シド (田中天): ドヴェルグ / ファイター / ヴァグランツ / エージェント。ドワーフの空賊。
キサラ＝ノースライト (田中信二): サモナー / オラクル / ホワイトメイジ。対奈落騎士団のエクスカリバーに所属する召喚師。
ヴィオレット (井上純弌): ヴァルキリー / ファイター / ホワイトメイジ。古代戦艦レーヴァテインの制御ユニット。

用語

七つの奈落: 神話時代に神々によって封印された災厄。
レーヴァテイン: 炎の巨人スルトの武具として伝えられる古代文明の戦艦。
エクスカリバー: 対奈落騎士団。
アイギス: 柊蓮司を排除しようとする組織。

『アルシャード』『ナイトウィザード』における位置づけ

本作は、『アルシャード』と『ナイトウィザード』のクロスオーバーリプレイですが、両作品の世界観が完全に同一であるとはされていません。『アルシャード』シリーズでは、本リプレイの内容と矛盾する設定も存在します。本作は、一種のパラレルワールド的な扱いと考えた方が良いでしょう。

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