スーザンズガール

スーザンズガール：アメリカ競馬史に輝く名牝

スーザンズガール（1969年 - 1988年）は、アメリカ合衆国で活躍したサラブレッド競走馬にして繁殖牝馬です。類まれな才能と強靭な精神力で、数々の偉業を達成し、アメリカ競馬の歴史にその名を刻みました。本稿では、スーザンズガールの華麗なる競走生活から引退後の日々まで、その生涯を詳細に見ていきます。

若き日の躍進：ライバルとの死闘と栄光

フロリダ州の牧場で生まれたスーザンズガールは、2歳（1971年）でデビュー。デビュー戦こそ目立った活躍はありませんでしたが、その後才能を開花させ、シグネチュアステークスで初勝利を挙げます。この頃から、後のライバルとなるナンバードアカウントとの対戦が何度も繰り広げられました。ガーデニアステークスやデモワゼルステークスではナンバードアカウントに敗れるものの、その強さを示しました。

3歳（1972年）になると、スーザンズガールはヴィレッジャーステークスからラトロワンヌステークスまで5連勝を達成。そして、アメリカ競馬のクラシック競走、ケンタッキーオークスで1番人気に応え、優勝という栄冠を手にします。続くエイコーンステークスでも勝利し、7連勝を記録する快挙を成し遂げました。しかし、マザーグースステークスで2着に敗れ、連勝はストップ。それでも、ベルデイムステークスでナンバードアカウントを相手に初勝利を収め、その年のエクリプス賞最優秀3歳牝馬に輝きました。

グレード制導入と西海岸進出：新たな挑戦と栄光

1973年、アメリカ各地の競馬場でグレード制が導入されました。スーザンズガールは、東海岸だけでなく、西海岸のレースにも参戦するようになります。当初は不調に終わったものの、サンタマリアハンデキャップでグレード競走初勝利、続くサンタマルガリータインビテーショナルハンデキャップでG1初制覇を果たします。サンタバーバラハンデキャップ、デラウェアハンデキャップでも優勝し、エクリプス賞最優秀古牝馬の称号を獲得しました。

故障からの復活劇：不屈の精神と驚異的な復活

1974年、左前脚を骨折する大怪我を負ってしまいます。名医ロバート・コープランの治療を受け、フロリダの牧場で静養。湖での水泳療法を行い、約9ヶ月もの長期休養を経て、見事に競走馬として復帰を果たしました。復帰後すぐに勝利を挙げ、その健在ぶりを見せつけました。

その後も活躍を続け、1975年にはマッチメーカーステークスでレコード勝ちを含む7勝を挙げ、アメリカで初めて100万ドルの賞金を獲得した牝馬となりました。この年をもって競走馬を引退し、繁殖牝馬としての生活が始まりました。引退翌年には、アメリカ[[競馬名誉の殿堂博物館]]入りを果たすなど、その功績は高く評価されました。

引退後とその後

繁殖牝馬としては、シャンペンステークスを制したコープラン（治療医にちなんで命名）など、G1競走馬を輩出しました。しかし、スーザンズガールほどの活躍を見せた産駒は現れませんでした。1988年10月18日、スーザンズガールは、故郷の牧場で静かに生涯を終えました。

スーザンズガールの功績：

スーザンズガールは、数々の偉業を達成したアメリカ競馬史に残る名馬です。ケンタッキーオークス優勝、G1競走8勝、100万ドルホース、アメリカ競馬殿堂入り、そしてエクリプス賞最優秀3歳牝馬と最優秀古牝馬を複数回受賞。その競走成績と、故障からの復活劇は、多くの競馬ファンの記憶に深く刻まれています。彼女の名は、今もなお語り継がれる偉大なレジェンドとして輝き続けています。 また、デラウェアパーク競馬場には、スーザンズガールの名を冠した「スーザンズガールブリーダーズカップステークス」が創設されるなど、その影響は現代にも及んでいます。

もう一度検索