スーセントマリー (ミシガン州)

ミシガン州スーセントマリー：歴史と自然が織りなす魅力的な都市

概要

アメリカ合衆国ミシガン州アッパー半島東端に位置するスーセントマリー市は、同州チッペワ郡の郡庁所在地です。2020年の人口は約1万3千人。アッパー半島ではマーケットに次ぐ規模を誇り、ミシガン州最古、アパラチア山脈以西で3番目に歴史の古い都市として知られています。その歴史は17世紀半ばまで遡り、豊かな自然と戦略的な地理的立地から、古くから人々を惹きつけてきました。

地理と交通

カナダとの国境であるセントメアリーズ川沿いに発展したスーセントマリー市は、東西約3km、南北約1.5kmのコンパクトな市街地を形成しています。カナダ側のスーセントマリー市とは、スーセントマリー国際橋で結ばれています。ミシガン州側の橋の南詰は、州間高速道路I-75の北の終点となっており、交通の要衝として機能しています。デトロイトからは約550kmの距離にあります。

市域は総面積52.3km²で、その約27%を水域が占めています。そして、年間降雪量が325cmにも達する豪雪地帯としても有名です。観測史上最大では530cmの積雪を記録したこともあり、冬は平均気温が氷点下10度を下回る厳しい寒さとなります。一方、夏は涼しく過ごしやすい気候で、観光に適しています。

スーセントマリー運河

スーセントマリーのシンボルと言えるのが、セントメアリーズ川に建設されたスーセントマリー運河です。この運河は、スペリオル湖とヒューロン湖間の水位差による急流を克服し、大型船舶の航行を可能にした閘門式運河です。パナマ運河などと同じ形式の運河で、ミシガン州側にある4つの閘門は、長さ300m、幅30mを超える大型船舶も通行できます。主にスペリオル湖（ダルース港など）とヒューロン湖、ミシガン湖、エリー湖を結ぶ船舶の航行を支え、地域経済に大きく貢献しています。ただし、ウェランド運河（ナイアガラ滝を迂回する運河）を通航する際の制限があるため、アメリカ国外やオンタリオ湖以東からの船舶はそこまで大型ではありません。

歴史

この地には古くからオジブワ族などのネイティブ・アメリカンが居住していました。1668年、フランスのイエズス会宣教師、クロード・ダブロンとジャックス・マルケットが布教のためこの地に到達し、教会堂を建設、アパラチア山脈以西で3番目に古い町が誕生しました。セントメアリーズ川の急流が船舶の航行を阻害したため、スーセントマリーは船荷の積降地として発展していきました。スペリオル湖とヒューロン湖間を船荷を運ぶには、従来の水陸両方の輸送方法では数週間を要していましたが、1855年に開通したスーセントマリー運河により、水上交通路が確立され、スーセントマリーだけでなく、ダルースやマーケットなどのスペリオル湖沿岸都市も発展を遂げました。

産業と観光

現在、スーセントマリー市の主要産業は観光業です。運河という歴史的建造物に加え、夏の涼しい気候、豊かな自然環境、そして近隣のカジノなどを活用した観光が盛んに行われています。

教育

スーセントマリー市には、レイクスペリオル州立大学がキャンパスを構えています。1946年に設立されたこの大学は、第二次世界大戦の退役軍人への高等教育機会提供を目的として、ミシガン鉱工業大学（現在のミシガン工科大学）の分校として創立されました。現在は独立した4年制大学でありながら、コミュニティ・カレッジとしての役割も併せ持ち、地域密着型の教育機関として約3,000人の学生が学んでいます。

市名の由来

市名の「Sault Ste. Marie」はフランス語の「Saults de Sainte-Marie」に由来します。「sault」はフランス語で「滝」または「急流」を意味し、セントメアリーズ川の急流にちなんで名付けられました。

人口動態

2000年の国勢調査によると、人口は約1万6千人。人種構成は白人が約74%、ネイティブ・アメリカンが約14%、アフリカ系アメリカ人が約7%など多様な人種で構成されています。年齢の中央値は33歳。世帯収入の中央値は3万米ドル程度です。また、姉妹都市として日本の滋賀県竜王町と提携関係にあります。

まとめ

歴史と自然、そして運河という近代技術が調和したスーセントマリー市は、ミシガン州を代表する魅力的な都市です。豪雪地帯という独特の気候も、この街の個性と言えるでしょう。

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