コミュニティ・カレッジ

コミュニティ・カレッジの概要

コミュニティ・カレッジとは、地域社会における高等教育の場として設立された教育機関です。このタイプの学校は、アメリカをはじめとする多くの国に存在し、一般的には2年制の大学として分類されます。主に地域住民を対象にし、専門的な知識や技術を学ぶことができるため、継続教育の重要な一環を担っています。

アメリカとカナダのコミュニティ・カレッジ

アメリカ合衆国やカナダでは、コミュニティ・カレッジは「Community College」や「Technical College」と呼ばれ、2年間で学位を取得可能な教育機関です。これらの学校は、一般的な学部教育だけでなく、職業教育も提供しています。アメリカでは約700万人、カナダでは約300万人の学生が在籍しており、アメリカには約1200校、カナダには約170校のコミュニティ・カレッジがあります。これらの多くは公立であり、教育水準や学費に大きな差はないものの、特定の専門分野に強みを持つ学校もあります。

日本における市民大学講座と異なり、米国のコミュニティ・カレッジは法的に教育機関として認められています。教育システム内での位置づけは明確で、学生の多様なニーズに応じたカリキュラムが用意されています。リメディアル教育や資格取得に向けた支援も行われており、多くの学生にとって重要な学びの場です。

卒業後、一部の学生は4年制の大学へ編入し、学士号を取得することもあります。しかし、卒業率は低めで、アメリカのコミュニティ・カレッジでは2年での卒業率が約13%とされています。また、編入率も全米平均で25%ほどで、競争が激しいことがわかります。

政府の取り組み

アメリカでは、以前からコミュニティ・カレッジの授業料無料化に向けた取り組みが提案されています。オバマ元大統領が発表した「America’s College Promise」では、誰でも大学教育を受けられるようにすることを目指しましたが、その後の進展は限定的でした。現在も、アメリカの一部の州では条件を満たした学生に対して学費を免除するプログラムが存在しています。

留学生の受け入れ

近年では、コミュニティ・カレッジが海外からの留学生受け入れを積極的に進めており、地域住民だけでなく、国際的な学生を対象とした環境整備が進んでいます。これにより、留学生が増加傾向にあり、国際的な教育の場としても重要な役割を果たすようになっています。

イギリスやオーストラリアの状況

イギリスではスコットランドを除く地域で、コミュニティ・カレッジは地元の児童青年だけでなく、成人向けの教育ニーズにも応えています。教育内容は幅広く、スポーツや職業資格の取得、さらにはライフスタイル教育など多岐にわたります。

一方オーストラリアでは、コミュニティ・カレッジという名称はあまり使われず、技術・継続教育（TAFE）という呼称が一般的です。これらの教育機関は州レベルで運営されています。

結論

コミュニティ・カレッジは、地域社会において高等教育を提供し、専門的なスキルや資格取得の場として重要な存在です。教育機関としての役割は国によって異なるものの、地域住民や留学生に対して多様な学びの機会を提供しています。

もう一度検索