スーパーボンバーマン3

1995年 4月28日に日本のハドソンからスーパーファミコン用ソフトとして発売されたアクションゲームです。シリーズ全体としては13作目にあたり、スーパーファミコン向けとしては4作目となります。同年10月にはヨーロッパでも発売されました。

概要とシリーズにおける位置付け

本作はスーパーファミコンの処理速度向上を活かし、シリーズで初めて最大5人での同時プレイを実現しました。これにより、特にバトルゲームにおける多人数対戦がより一層盛り上がるようになりました。ノーマルゲームでも、『スーパーボンバーマン』以来となる2人同時協力プレイが可能となり、友達と一緒にストーリーモードを楽しむ道が開かれました。また、対戦で敗れたプレイヤーが場外から爆弾を投げ込める「みそボン」システムが本作で初登場し、その後のシリーズ定番要素となりました。

開発体制も前作『スーパーボンバーマン2』や『スーパーボンバーマンぱにっくボンバーW』が外部委託だったのに対し、本作は再びハドソン社内で開発が行われました。ボンバーマンシリーズ総監督である藤原茂樹氏がディレクターを務め、スーパーファミコンシリーズに本格的に関わった最初の作品です。アートデザインは水野祥司氏と吉見直人氏が担当しており、特に水野氏によるボンバーマンやバグラーといった主要キャラクターのアートワークのスタイルは、本作を通じて確立されたと言われています。さらに、メインシリーズ（『ぱにっくボンバー』を除く）としては初めて声優が起用され、『スーパーボンバーマン』のCMからボンバーマンを演じていた杉山佳寿子氏が起用されました。

PCエンジン版との融合

これまでのスーパーファミコン版『ボンバーマン』シリーズは、同時期に展開されていたPCエンジン版とはグラフィックやサウンドの雰囲気に違いが見られました。しかし、『スーパーボンバーマン3』では、意図的にPCエンジン版の要素が強く取り入れられ、両シリーズの長所が融合したような独特の雰囲気を持っています。ストーリーにおいても、PCエンジン版『ボンバーマン'94』とスーパーファミコン版『スーパーボンバーマン2』、双方の直接的な続編として位置づけられています。

物語

かつて『'94』でボンバーマンに敗れた悪の科学者、プロフェッサーバグラーが、遠く離れたボンバー星雲で再び宇宙征服の野望を始動させます。『スーパーボンバーマン2』でボンバーマンに倒され、打ち捨てられていた自らの最高傑作である5体のボンバーマン、「凶悪ボンバー5人衆」を回収し、復活させました。バグラーは手始めにボンバー星雲の5つの惑星に5人衆を送り込み、各星の平和の要であるマザーコンピュータのチップを封印し、惑星を支配下に置きました。この緊急事態を知ったボンバーマンは、ボンバー星雲の平和を取り戻すため、バグラーと凶悪ボンバー5人衆が潜む5つの星へと向かうのでした。

ノーマルゲーム

ボンバーマンを操作して、様々な仕掛けや敵が登場するステージを進んでいくゲームモードです。全6ステージ構成で、各ステージは複数のエリアやパートに分かれており、最後に待ち受けるボスキャラクターを倒すことで次のステージに進めます。エリア内の敵を全て倒す必要はなく、特定の「コアメカ」を破壊することで次のパートやゴールへの道が開かれます。

ミスとなるのは、爆弾の爆風に巻き込まれるか、敵やトラップに接触するか、または制限時間が尽きた場合です。ミスすると残機が減り、そのパートの最初からやり直しとなりますが、ファイアーアップやボムアップといった基本的なアイテム効果は失われずに残る点が特徴です。ゲームオーバー後はコンティニューが可能で、表示されるパスワードを利用すれば途中から再開できますが、この場合は全ての装備がリセットされます。残機は1UPアイテム取得やスコアによる増加に加え、2人協力プレイ時は共有されます。また、本作からボンバーマンの初期火力が増加し、序盤のプレイがやや容易になりました。特定の隠しパスワードを入力することで、初期フルパワー状態や敵の耐久力が高いハードモードで遊ぶことも可能です。

バトルゲーム

最大5人まで参加できる対戦モードです。お馴染みの爆弾によるサバイバルに加え、本作ではシングルマッチとタッグマッチを選択できます。特にタッグマッチでは自由な人数配分が可能で、様々な対戦形式を楽しめます。COMの強さは3段階（隠しパスワードでさらに1段階）設定でき、プレイヤーキャラクターとしては、白ボンバーマン（1P）や黒ボンバーマン（2P）だけでなく、世界各国のボンバーマン「ワールドボンバー」も選択可能で、COMキャラクターごとに異なる行動パターンを持つのが特徴です。

本作で初登場した「みそボン」システムは、制限時間が迫るなどの特定の条件でゲームオーバーになったプレイヤーが、場外から爆弾を投げ込んで対戦に干渉できる画期的なシステムです。また、前作ではパスワードで設定していた、ステージが狭まるプレッシャーブロックの落下に関する「サドンデス」のON/OFFがオプション画面から設定できるようになりました。個性豊かな全10種類のステージ（裏技等で隠しステージも）が用意されており、ワープ床、シーソー、移動するブロックなど、それぞれ独自の仕掛けが対戦を盛り上げます。シングルマッチの優勝者は、次の対戦開始時に有利になるアイテムを獲得できるミニゲーム「PK・ボンバー」に挑戦できます。

アイテムと特殊要素

ノーマルゲームとバトルゲームそれぞれに多種多様なアイテムが登場します。火力を上げるファイアー、設置数を増やすボムアップ、移動速度を上げるローラーシューズといった基本アイテムに加え、爆弾を弾ませるゴム爆弾、爆弾を蹴るボムキック、持ち上げて投げるパワーグローブなど、アクションの幅を広げるアイテムが多数存在します。ノーマルゲーム専用のアイテムには、爆風が壁を貫通する貫通爆弾や、ソフトブロックをすり抜けられる壁通過などがあります。

バトルゲームには、取得すると様々な不利益な効果（移動速度変化、爆弾設置不可、自動設置など）が現れるドクロアイテムが登場します。この効果は他のプレイヤーに接触することで移すことができるため、対戦に駆け引きを生みます。

そして、『ボンバーマン'94』から引き続き、特定のタマゴから出現する相棒のルーイが本作でも活躍します。ルーイに乗っている間はダメージを一度だけ肩代わりしてくれるほか、Yボタンで各色のルーイ固有の特殊能力を使用できます。例えば、グリーンルーイは高速ダッシュ、イエロールーイはブロックキック、ブルールーイは爆弾のボムスルー、ピンクルーイはジャンプ、ブラウンルーイはラインボムといった得意技があり、戦略の幅を広げます。

開発背景と関連情報

本作の開発過程は、NHKのドキュメンタリー番組『新・電子立国』の「ビデオゲーム・巨富の攻防」回でも取材・紹介されました。関連商品としては、詳細な攻略情報や開発者インタビューを掲載した書籍、ゲーム内の楽曲を収録したサウンドトラックCDなどが発売されています。後の作品にも本作を基盤とした要素やキャラクターが登場するなど、シリーズの歴史においても重要な位置を占める作品です。

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