ズィーティ(Ziti)
ズィーティ、またはツィーテは、
イタリア、特に
カンパニア州と
シチリア州に起源を持つ独特な形状の押出成形
パスタです。約25cmの長さを持ち、広口の筒型が特徴です。この
パスタを調理する際は、事前に手で小さく砕く必要があります。ズィーティはその厚みから、
ブカティーニと似た特性を持ちながらも、厚みがあるため、しっかりとした食感と風味を楽しむことができます。
由来
ズィーティという言葉の語源は
シチリア語にあり、花嫁を意味する「zita」と花婿を意味する「zitu」の複数形に由来しています。このため、女性形名詞の複数形である「zite」という表記も存在します。また、人気の犯罪ドラマ『
ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』では、1000ドルを指す隠語として「box of ziti」が使われ、
ニューヨークの口語言葉として広まりました。さらに、2018年2月には
アンドリュー・クオモがオールバニでズィーティという言葉を用いる場面も見られ、社会的な文脈においても根付いていることがうかがえます。
使用方法
ズィーティは、その形状が
ブカティーニや
リガトーニ、
ペンネに似ており、主にデュラム小麦と水から作られます。この
パスタは、特に「
パスタ・アッラ・ノルマ」という
シチリアの伝統料理に用いられることが多いです。また、
シチリアでは結婚披露宴などの特別な行事で提供されることもあります。ズィーティに比べてさらに厚いものには「ジトーニ(zitoni)」や「ジトーネ(zitone)」と呼ばれる形状の
パスタも存在し、ズィーティと
リガトーニの中間的な特徴を持っています。
「
ベイクト・ズィーティ」は、ズィーティを使用した
イタリア系アメリカ料理の代表的な料理です。この料理はナポリ風トマトソースを使った
キャセロールで、
パスタ・アル・フォルノの一種として知られています。最初にズィーティを茹でてほぼ火が入った状態にし、トマトソースとあわせます。
混ぜ合わせる材料としては、リコッタ、
モッツァレッラ、
パルミジャーノ・レッジャーノなどのチーズ、さらに
挽肉、
ソーセージ、マッシュルーム、
トウガラシ、
タマネギなどがあります。これらを全て耐熱皿に入れて
モッツァレッラで覆い、オーブンで焼き上げて提供します。ズィーティが手に入らない場合でも、
ペンネや
リガトーニなどの他の円筒状
パスタを代用品として使用することができます。
最後に
ズィーティは、そのユニークな形状と多様な用途から、多くの料理に深い味わいをプラスする魅力的な
パスタです。伝統的な料理から現代的なアレンジまで、幅広く楽しむことができるこの
パスタを、ぜひ一度味わってみてください。