ズウォティ

ズウォティ (złoty)

ズウォティ（ポーランド語: złoty、略称: zł、国際通貨コード: PLN）は、ポーランドの公式通貨で、法定通貨として広く使用されています。補助単位はグロシュ（gr）で、1ズウォティは100グロシュに相当します。ズウォティは中・東欧で広く流通しており、外国為替市場での取引額は22位にランクされています。また、日常会話では「ズウォトゥフカ」というカジュアルな表現も使われています。

ズウォティという名称は、「金」を意味するポーランド語の名詞「ズウォト」（złoto）に由来し、直訳すると「金の」という意味になります。歴史的には、西ヨーロッパの通貨であるフローリンやギルダーと深い関わりがあります。グロシュは神聖ローマ帝国の通貨「グロッシェン」に由来し、イギリスの「グロート」とも関連しています。ポーランドのグロシュは1919年に導入され、以後流通が始まりました。ズウォティ硬貨はワルシャワにあるポーランド造幣局でのみ発行が認可されています。

ズウォティの歴史

ズウォティは1919年に制定され、多くの改定を経て今日に至ります。特に1995年には、旧ズウォティから新ズウォティへのデノミネーションが実施され、10,000旧ズウォティが1新ズウォティに交換されることとなりました。それ以降は、ズウォティの価値は比較的安定し、現在では1ユーロ＝4〜5ズウォティの範囲を維持しています。

ポーランドは欧州連合に加盟しており、将来的にはユーロへの移行が求められています。2011年には、ズウォティからユーロへの切り替えに対して60%のポーランド人が反対という結果が出ましたが、2022年には賛成が60%に上るなど意見に変化が見られます。調査によると、84%がすでにユーロを使ったことがあり、58%がユーロ導入がポーランドにとって好影響を及ぼすと考えています。

ズウォティの記号と使用法

ズウォティの公式な記号は「zł」で、グロシュは「gr」と表記されます。通貨の記号にはUnicodeが割り当てられていませんが、ポーランド語のタイプライターにはこの記号が含まれていました。ズウォティの数を表す際には、複数形が異なり、1～4の場合は「ズウォティ」、5以降は「ズウォテ」が用いられます。また小数点以下では、「ズウォテゴ」や「グロシャ」という呼び名が使われます。

ズウォティ紙幣と硬貨

ズウォティ紙幣のサイズは、額面が高くなるにつれ横が6ミリ、縦が3ミリずつ増加し、デザインにはポーランドの歴史的な君主や重要なランドマークが描かれています。色は茶色、桃色、紫色、青色、緑色、金色が基調となっています。逆に、現在流通している硬貨は1グロシュから5ズウォティまで多岐にわたり、材質はそれぞれ異なります。最近の硬貨では、クリスタル鋼や白銅が使用されており、各額面には異なるデザインが施されています。

ユーロ導入についての現状

ポーランド政府はユーロ導入に向けた議論を進めていますが、憲法改正が必要であり、この問題に対する国民の意見が分かれています。ユーロ導入の具体的な時期は未定ですが、ポーランド国内での経済状況や国民感情によって変わる可能性があります。このような状況下でもズウォティはポーランドの経済の中で重要な役割を果たし続けています。

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