ズヴェズダ造船所

ズヴェズダ造船所について

ズヴェズダ造船所（Звезда）は、ロシア連邦の極東地区、ボリショイ・カーメニに位置する造船および船舶修理の専門会社です。この造船所は、特に太平洋艦隊にとって重要な施設であり、原子力潜水艦の修理や近代化、さらには商業用の石油タンカーの建造も行っています。会社名の「ズヴェズダ」は「星」を意味し、社章には赤い星があしらわれています。

歴史の歩み

冷戦時代

1945年にソビエト連邦政府は、ボリショイ・カーメニ湾に第892船舶修理工場の建設を決定しました。その後、1946年に設計が発表され、1954年に初期工場が完成しました。この工場では商船やソビエト海軍の補助艦艇の修理が始まり、1957年からは通常動力の潜水艦、1962年からは原子力潜水艦の建造が行われました。

ソ連崩壊以降

1989年以降、経済状況の厳しさから、原子力潜水艦の処分作業を開始しましたが、海軍からの受注は減少し、経営は困難になりました。この影響でボリショイ・カーメニの人口も大きく減少しました。2000年代に入り、サハリンプロジェクトなど新たな開発が始まり、また日本政府の支援による原子力潜水艦解体事業「希望の星」が行われました。

2008年には合資会社に変更され、沿海地方政府が株式の100%を保有するようになりました。2010年には「希望の星」の完了が記念されました。

経営再建の進展

2010年代の後半には、再建計画が始まり、2022年までに総額417億ルーブルが投じられる予定です。これには国営企業や石油会社が出資しています。また、韓国の造船会社との合弁も企図されましたが、2012年に解消され、その後も改善を続けています。

2016年からは新たな生産体制を築き、最大で300メートルの長さを持つ船舶が建造できる施設の開発が進んでいます。2024年までに完了予定のこのプロジェクトは、1万人以上の雇用を創出する見込みです。

主な業務内容

ズヴェズダ造船所の主な業務には、原子力潜水艦の建造・修理・解体があります。特に太平洋艦隊の潜水艦にとって重要な修理拠点とされており、原潜の解体作業も行っています。

商業用の船舶建造にも注力しており、ロスネフチとの合意に基づいて多くの商船を受注しています。具体的には、油タンカーや原子力砕氷船の建造にも着手しており、進行中のプロジェクトがいくつかあります。また、船舶部品の製造にも力を入れており、アジマススラスターの生産を計画しています。

安全性と問題点

過去には事故も発生しており、2013年にはオスカー型原子力潜水艦「トムスク」で火災が起こり、軍人が負傷する事態となりました。このような問題点は、施設の安全をさらに向上させるための課題となっています。

全体としてズヴェズダ造船所は、太平洋地域における重要な造船施設として、原子力潜水艦や商業船の建造を通じて、ロシアの国家戦略に寄与し続けています。

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