セイナッツァロ

セイナッツァロの概要

セイナッツァロ（Säynätsalo）は、フィンランド中央スオミ県に位置するユヴァスキュラ市の一区です。かつては独立した自治体でしたが、1993年にユヴァスキュラ市に編入されました。セイナッツァロという地名は、発音や表記にいくつかのバリエーションがあり、セイナッアロ、サユナットサロ、サユナツサロ、サユナッツァロ、サウナッツァロ、サゥナッツァロなどとも表記されます。

地理

セイナッツァロは、フィンランドで2番目に大きい湖であるパイエンネ湖の中に位置し、主にセイナッツァロ島、ムーラッツァロ島の一部、そしてレへティサーリ島から構成されています。セイナッツァロ島とレへティサーリ島は、全長178メートルの吊り橋「ロウフンサルメン吊り橋」で結ばれています。2015年12月31日時点での人口は3,294人で、面積は22.3平方キロメートルです。

歴史

セイナッツァロの歴史は、1898年にユーハン・パルビアイネンがセイナッツァロ島に製材所を設立したことから始まります。当時、セイナッツァロ島は無人島でした。1914年には合板工場が設立され、この地域は発展を遂げました。1924年にはムーラメから独立して自治体となりました。1952年には、著名な建築家アルヴァ・アールトが設計したセイナッツァロの村役場が完成し、その独特のデザインは世界的に評価されています。その後、1993年にユヴァスキュラ市に編入され、現在に至ります。

教育と文化

教育施設としては、レへティサーリ学校の他に、ムーラッツァロ幼稚園・学校、セイナッツァロ幼稚園・学校があります。また、毎年8月には「セイナッツァロの日」と呼ばれる祭りが行われ、地域住民の交流の場となっています。

セイナッツァロ教会は、建築家アルマス・リンドグレンとベルテル・リルジェクヴィストによって設計され、1927年に創建されました。この教会は、その美しい建築様式で知られています。

アルヴァ・アールトの村役場

セイナッツァロの村役場は、アルヴァ・アールトの代表作の一つとして知られています。この建物は、1952年に完成し、赤レンガと木材を組み合わせたデザインが特徴です。アールトは、自然との調和を重視し、この村役場でもその思想が反映されています。中庭には階段状になった議場があり、そのデザインは斬新で、現在でも多くの建築家や観光客が訪れます。

まとめ

セイナッツァロは、美しい自然と歴史的な建造物が調和した魅力的な地域です。アルヴァ・アールトが設計した村役場をはじめ、見どころも多く、フィンランドを訪れる際にはぜひ訪れてほしい場所の一つです。また、地域住民が大切にしている祭りや文化も、この地の魅力をさらに深めています。

参考資料

和田菜穂子『アルヴァ・アアルト もうひとつの自然』国書刊行会、2018年10月。ISBN 978-4-336-06289-5。

外部リンク

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