ユヴァスキュラ

ユヴァスキュラ：フィンランド中央部の文化とスポーツが息づく街

ユヴァスキュラは、フィンランドの中央スオミ県に位置する都市で、ユヴァスキュラ郡の中心地です。首都ヘルシンキから約270km、タンペレからは約140kmの距離にあります。2021年12月31日時点で、人口は144,477人と発表されています。

街は、美しいユヴァスヤルヴィ湖のほとりに広がっており、自然と都市機能が調和した景観が特徴です。市内には、フィンランドを代表するデザイナー、アルヴァ・アールトの作品を展示するアルヴァ・アールト美術館や、フィンランド中央博物館といった文化施設が点在しています。また、高等教育機関である大学も存在し、学術都市としての側面も持ち合わせています。

歴史

ユヴァスキュラの歴史は1837年に始まり、ロシア皇帝ニコライ1世によって街が設立されました。19世紀から都市としての発展を遂げ、現在に至っています。

交通

ユヴァスキュラは、フィンランド国内の主要都市と鉄道や高速道路で結ばれています。ヘルシンキやタンペレからは、高速鉄道ペンドリーノが乗り入れており、ユヴァスキュラ駅は近代的な新駅舎に生まれ変わりました。歴史的な旧駅舎も保存されており、アンティークショップとして利用されています。また、バス路線も充実しており、鉄道が通っていないユヴァスキュラとラハティ間の移動を支えています。

スポーツ

スポーツもユヴァスキュラの重要な要素の一つです。スキージャンプの世界記録保持者であるマッチ・ニッカネンは、この街の出身であり、市内にある丘でのトレーニングが彼を強くしたと言われています。サッカーではJJKユヴァスキュラが、アイスホッケーではJYPユヴァスキュラが地元を代表するチームとして活躍しています。

特に有名なのは、毎年夏に開催されるラリー・フィンランドです。世界ラリー選手権（WRC）の一戦として知られ、世界中から多くのラリーファンが訪れます。湖が点在する未舗装路をラリーカーが高速で駆け抜け、迫力満点のジャンプを披露する様子は、観る者を魅了します。かつては「1000湖ラリー」とも呼ばれていたこの大会は、フィンランド人ドライバーが強さを見せることでも知られています。また、2021年にはトヨタ自動車がWRC参戦のためのファクトリーをユヴァスキュラに開設。2022年末には、トヨタ・ガズー・レーシング・ヨーロッパ（TGR-E）から分社化した「TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team（TGR-WRT）」の本社も同ファクトリー内に置かれ、モータースポーツにおけるユヴァスキュラの重要性が高まっています。

さらに、2010年にはオリエンテーリング選手のミンナ・カウッピがフィンランド年間最優秀スポーツ選手に選ばれるなど、多様なスポーツ分野で活躍する人々がユヴァスキュラを拠点にしています。

姉妹都市・友好都市

ユヴァスキュラは、国際交流にも積極的に取り組んでおり、世界各地の都市と姉妹都市・友好都市提携を結んでいます。その中には、日本の新座市も含まれています。

エスビャウ（デンマーク）
エシルストゥーナ（スウェーデン）
デブレツェン（ハンガリー）
ネスコイプスタズル（アイスランド）
新座市（日本）
ポツダム（ドイツ）
ポズナン（ポーランド）
スタヴァンゲル（ノルウェー）
ヤロスラヴリ（ロシア）
Jalapa（ニカラグア）
牡丹江市（中華人民共和国）

ユヴァスキュラは、その豊かな自然と文化、スポーツへの情熱が融合した魅力的な都市です。フィンランドを訪れる際には、ぜひ立ち寄ってみたい場所の一つと言えるでしょう。

参考文献

公式ウェブサイト

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