セイント (映画)

映画『セイント』の概要

『セイント』（The Saint）は、1997年にアメリカ合衆国で公開されたアクション・スリラー映画です。この作品は、レスリー・チャータリスの冒険小説を原作としており、1960年代に制作されたロジャー・ムーア主演のテレビドラマ『セイント 天国野郎』のリメイクとなっています。

ストーリーの背景

物語は、香港の孤児院で育ったジョン・ロッシという少年から始まります。成長した彼は、サイモン・テンプラーという名を名乗り、天才的な変装術とハイテクな装備を駆使して怪盗として活躍していました。その腕前は見事で、いつしか国際的に指名手配される存在となったのです。

ある日、サイモンはロシアの石油王であるイワン・トレティアックの金庫からマイクロチップを盗むことになりますが、イワンの息子イリヤから追手に遭い、命がけでその盗みを成功させます。しかし、その数日後に再びイワンと面会したサイモンは、新たな依頼を受けることに。今度は、科学者エマ・ラッセル博士から低温核融合に関する方程式を盗むというものです。

サイモンは一旦はその依頼を引き受けますが、エマとの接触を通じて彼女に心惹かれていく過程が描かれます。

登場人物

映画にはいくつかの重要なキャラクターが登場します。最初に紹介するのは、サイモン・テンプラー（演：ヴァル・キルマー）です。本名はジョン・ロッシで、さまざまな人物に変装し、世界中で指名手配される危険な怪盗です。彼は香港の孤児院で厳格に育てられました。

次に、エマ・ラッセル博士（演：エリザベス・シュー）です。彼女はオックスフォード大学に所属するイギリスの科学者で、病弱でありながらも低温核融合の新しい方程式を発見します。笑うときには口を隠す癖があります。

さらに、イワン・トレティアック（演：ラデ・シェルベッジア）も忘れてはならないキャラクターです。彼はトレティアックガス会社の社長であり、ロシアの石油王として新エネルギーを開発を目指し、世界に復活を企てています。

イワンの息子、イリヤ・トレティアック（演：ヴァレリー・ニコラエフ）も登場します。彼は常識的ではない行動をとることが多く、体術や拳銃の扱いにも優れたキャラクターです。さらに、レフ・ボトビン博士（演：ヘンリー・グッドマン）や孤児院の牧師ブレナン（演：エフゲニー・ラザレフ）など、周囲の人物たちも物語を彩ります。

スタッフと制作

この映画の監督はフィリップ・ノイスで、製作にはデイヴィッド・ブラウンやロバート・エヴァンスなどの名人が名を連ねています。脚本はジョナサン・ヘンズリーとウェズリー・ストリックが担当し、撮影はフィル・メヒュー、音楽はグレーム・レヴェルが手掛けています。

『セイント』は、そのスリリングなストーリー展開とキャラクターの魅力で観客を引き込み、冒険とロマンスが交錯する見ごたえのある作品となっています。

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