セイントバラード

セイントバラード(Saint Ballado) は、カナダで生まれアメリカで活躍した競走馬であり、種牡馬としても名を馳せた名馬です。

競走馬としてのキャリア
1991年8月、アーリントンパーク競馬場でデビュー戦を迎えました。2歳時は1戦のみの出場で、翌1992年に初勝利を飾ります。その後、アローワンス競走で好成績を残しますが、ジムビームステークスやブルーグラスステークスでは上位入賞を逃し、三冠路線への挑戦は叶いませんでした。しかし、1992年5月にはシェリダンステークス(G3)、6月にはアーリントンクラシックステークスとG1競走を連勝するなど、実力を見せつけました。その後、ハスケルインビテーショナルハンデキャップに出走しましたが4着に終わり、これが最後の競走となりました。

種牡馬としての成功と悲劇
競走馬を引退した後、セイントバラードは種牡馬として繋養されました。しかし、その道のりは容易ではありませんでした。良血馬でありながらも、ケンタッキー州ではなかなか相手にされず、最終的にはフロリダ州のオカラスタッドに繋養されることになります。当初は高額で売却される予定でしたが、実際は大幅な値引きを余儀なくされ、種付料も低価格に設定されました。それでもオカラスタッドは、その優れた血統に将来性を見出していました。

そして、セイントバラードは大きな成功を収めます。初年度産駒からフロリダダービー優勝馬を輩出するなど、一定の繁殖成績を残し、テイラーメイドファームへと移籍しました。しかし、2002年秋、脊髄の病に罹患し、手術後合併症により安楽死の処置がとられました。享年9歳でした。

セイントバラードの死後、その真価が改めて証明されます。2004年には産駒のアシェイド(Ashado) が[ケンタッキーオークス]]などG1競走を制覇し、エクリプス賞最優秀3歳牝馬を受賞。翌2005年には、同じく産駒のセイントリアム] が年度代表馬に選ばれ、アシェイドも再び年度表彰を受けました。この2頭の活躍により、セイントバラードは2005年度北米[[リーディングサイアーに輝いたのです。しかし、後継種牡馬として期待されていたセイントリアムは、その後不慮の事故により亡くなってしまいました。

名門血統と日本との縁
セイントバラードの血統は非常に優れたものでした。父はヘイローで、日本の競馬界に多大な影響を与えたサンデーサイレンスと同じ父を持つ名血です。また、近親にはカナダ年度代表馬のグローリアスソングやエクリプス賞最優秀2歳牡馬のデヴィルズバッグなどがいます。さらに、その血統から生まれた馬は世界中で活躍し、ジャパンカップ優勝馬のシングスピールもその一頭です。セイントバラード自身も、1997年には日本への導入が予定されていましたが、予防接種のワクチンが日本の検疫条項に抵触したため実現しませんでした。

セイントバラードは、短い競走生活と種牡馬生活でしたが、数々の名馬を輩出し、競馬史に大きな足跡を残しました。その活躍は、血統の素晴らしさと、携わった人々の努力によって支えられていたと言えるでしょう。彼の血統は、現在も世界中の競馬界に影響を与え続けています。

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