セカンドレベルドメイン

セカンドレベルドメイン (SLD)

定義と役割

セカンドレベルドメイン（Second-level domain）は、インターネット上の住所にあたるドメイン名の階層構造において、トップレベルドメイン（TLD）のすぐ下に位置する部分を指します。ドメイン名全体の中で、特定の組織やサービス、ウェブサイトを個別に識別するための核となる名称であり、その略称としてSLDが用いられます。インターネット上のホストを特定するドメイン名において、TLDが「国や種類」といった大まかな分類を示すのに対し、SLDはその分類の中で「具体的な名前」を示す役割を担います。

具体的な例

例えば、「example.com」というドメイン名の場合、最上位の階層である「.com」がトップレベルドメインにあたります。そして、その直前にある「example」の部分がセカンドレベルドメインとなります。また、「wikipedia.org」というドメイン名では、「.org」がトップレベルドメインであり、その下の階層にある「wikipedia」がセカンドレベルドメインです。このように、TLDの直前に位置する部分がSLDとして機能します。

国際化ドメイン名 (IDN) としての利用

セカンドレベルドメインの登録においては、従来の英数字やハイフンといったASCII文字だけでなく、日本語や中国語、アラビア語などの各言語で使用される文字を含めることが可能になっています。これは国際化ドメイン名（Internationalized Domain Name, IDN）と呼ばれ、非ASCII文字のドメイン名を扱うための技術です。IDNにより、母国語でのドメイン名登録が可能となり、ユーザーにとって覚えやすく、入力しやすいウェブアドレスが実現されました。

例えば、英数字のみで表現すると「ajinomoto.co.jp」となるドメイン名を、IDNを利用すれば「味の素.jp」のように日本語で登録・表示することができます。これにより、特に英語圏以外の利用者にとって、インターネットへのアクセスがより身近なものとなります。

国際化ドメイン名は、日本の「.jp」ドメインをはじめ、中国の「.cn」、香港の「.hk」など、多くの国別コードトップレベルドメイン（ccTLD）や、一部の分野別トップレベルドメイン（gTLD）ですでに広く利用されています。ただし、IDNを利用したドメイン名にアクセスしたり、これを正確に表示したりするためには、利用するウェブブラウザやアプリケーションがIDNに対応している必要があります。

日本では、特にセカンドレベルドメイン部分に日本語を使用したドメイン名を「日本語ドメイン名」と称し、広く普及が進んでいます。

組織属性を示す ccSLD

一部の国コードトップレベルドメイン（ccTLD）の下では、セカンドレベルドメイン部分が、そのドメインを登録している組織や個人の属性、あるいはサービスの種類を示すために利用されることがあります。このようなセカンドレベルドメインは、特にccSLD（country code Second-level domain）と呼ばれることがあります。

日本の「.jp」ドメインを管理する日本レジストリサービス（JPRS）をはじめ、いくつかの国のレジストリでは、この方式を採用しています。例えば、「.jp」の下に位置する「.ne」はネットワークサービスを提供する組織を、「.ac」は高等教育機関や研究機関を、「.go」は政府機関を、「.or」は財団法人や社団法人などの非営利組織をそれぞれ示します。これらのccSLDの下に、さらに具体的な組織名やサービス名を表すドメイン名（例えば「example.ne.jp」や「university.ac.jp」など）が登録されます。

この仕組みにより、ドメイン名を見るだけで、そのドメインがどのような種類の組織によって運営されているかをある程度把握することが可能となり、インターネット空間の秩序維持や管理に貢献しています。

まとめ

セカンドレベルドメインは、ドメイン名の階層構造における中核部分として、インターネット上の個々の実体を識別する重要な役割を担っています。従来の英数字によるものに加え、国際化ドメイン名として多言語での利用が進んでおり、また一部の国では組織属性を示すccSLDとしても活用されています。トップレベルドメインやホスト名、そしてドメイン名全体の管理システムであるDNS（Domain Name System）といった関連概念と共に理解することで、インターネットにおける名前解決の仕組みをより深く把握することができます。

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