セガ・マークIIIのゲームタイトル一覧

セガ・マークIIIは、1985年 10月にセガ・エンタープライゼス（後のセガ）から発売された家庭用ゲーム機です。前世代機であるSG-1000シリーズの性能的な限界を打破し、当時のアーケードゲーム移植を視野に入れて開発されました。

特徴

マークIIIは、グラフィック表示能力が大幅に向上しており、背景スクロール機能や表示色数の増加、スプライト表示機能の強化が図られました。これにより、当時の家庭用ゲーム機としては非常に鮮やかで表現豊かなゲーム画面を実現しています。また、SG-1000シリーズとの互換性も確保されており、過去のゲーム資産を有効活用できる点も魅力でした。

海外では「Sega Master System」として展開され、北米や欧州、ブラジルなど世界中で人気を博しました。初期のゲームソフトはマイカード（Sega Card）で発売されましたが、後にロムカートリッジへと移行しています。ゲームラインナップとしては、『スペースハリアー』や『ファンタジーゾーン』といったアーケードゲームの移植作に加え、『アレックスキッドのミラクルワールド』や『ファンタシースター』のようなオリジナル作品も多数存在します。

特に『アレックスキッドのミラクルワールド』は、欧州を中心に人気を集め、セガのマスコットキャラクターとして広く認知されました。『ファンタシースター』は、当時としては大容量の4メガビットロムカートリッジを採用し、滑らかなアニメーションと壮大な世界観でユーザーを魅了し、セガを代表するRPGシリーズへと発展しました。

開発背景と制約

セガはマークIII発売前、業務用ゲーム機で最先端技術を持っていました。しかし、家庭用ゲーム機であるマークIIIは、それ以前のシステム基板をベースにしていたため、グラフィックや音源に制約がありました。特に音源はPSG音源から変更されなかったため、アーケードゲームのようなFM音源の豊かなサウンドを再現することはできませんでした。そのため、アーケードゲームからの移植作は、マークIIIの性能に合わせてアレンジが加えられる必要がありました。

また、販売地域によってキャラクターが差し替えられるケースもありました。例えば、漫画原作の『あんみつ姫』は、海外版ではアレックスキッドに差し替えられ、別タイトルとして発売されています。

マスターシステムへの進化と終焉

日本国内では、1987年に海外版マスターシステムの筐体を採用し、FMサウンドユニットと連射装置を内蔵した上位機種「セガ・マスターシステム」が発売されました。しかし、ファミリーコンピュータの牙城を崩すことはできず、1988年に次世代機であるメガドライブが登場したことで、マークIII/マスターシステムの新作タイトル供給は1989年に終了しました。

メガドライブへの互換性

メガドライブは、変換アダプタ「メガアダプタ」を使用することで、マークIIIのゲームソフトをプレイすることができました。これにより、過去のゲーム資産を有効活用することができました。

海外での展開とその後

北米では、販売権の移管などを経て1992年にソフトの供給が終了しましたが、欧州ではファミコンの普及が遅れたこともあり、1996年までタイトル供給が継続されました。ブラジルでは、1998年まで新作タイトルが供給され、長らく人気を博しました。

日本では、プラットフォームとしての展開終了後も、ダウンロードサービスやミニゲームとしてマークIII/マスターシステムのタイトルが提供されています。また、日本未発売タイトルは、ゲームギアなどの他機種への移植や、SEGA AGESでの復刻などを通じて、日本のユーザーも楽しめるようになっています。

ブラジルでは、2012年時点でも年間販売台数が約15万台とされており、プラットフォームとしての展開が継続していました。

発売されたタイトル一覧

セガ・マークIIIおよびマスターシステム向けには、300を超えるゲームタイトルが発売されました。これらのタイトルは、様々なジャンルに渡り、多くのプレイヤーに楽しまれました。

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