セグロカモメ

セグロカモメ (Larus vegae)

セグロカモメは、チドリ目カモメ科に分類される鳥類の一種で、全長約60cmの大型のカモメです。日本では冬鳥としてよく見られ、身近な鳥として知られています。

形態

セグロカモメは雌雄同色で、背中と翼の上面は明るい灰色、頭部、首、腹、尾は白いのが特徴です。翼の外側の初列風切羽は黒く、先端には白い斑点があります。冬羽になると、後頭部から首にかけて褐色の小さな斑点が現れます。

くちばしは黄色で、下くちばしの先端近くに赤い斑点が一つだけあります。虹彩は黄色、眼瞼は赤色をしています。脚は薄いピンク色です。

若鳥は全身が灰褐色で、くちばしは黒色をしています。風切羽と尾の先は暗褐色で、虹彩は褐色、眼瞼は暗い赤褐色です。

生態

セグロカモメは、海岸や河口、内陸の湖沼などに生息しています。海が荒れた日には、河口から大きな河川に移動することもあります。繁殖期にはコロニーを形成し、集団で繁殖を行います。巣は枯草や海藻などで作られ、一度に2～3個の卵を産みます。抱卵日数は24～28日で、雌雄交代で抱卵します。

セグロカモメは雑食性で、魚類（特にニシン）、昆虫、動物の死骸など、様々なものを食べます。英名の「Herring Gull」は、ニシンを食べることに由来しています。

分布

セグロカモメは、北東アジアで繁殖します。北方に生息する個体は、冬になると南へ渡って越冬します。日本では、冬鳥として渡来し、最も普通に見られる大型カモメ類です。

亜種

セグロカモメには、以下の亜種が知られています。

L. v. birulai

関連項目

日本の野鳥一覧

参考文献

『改定新版　世界文化生物大図鑑　鳥類』　世界文化社、2004年、146-147頁
中村登流　『検索入門　野鳥の図鑑　水の鳥①』　保育社、1986年、164頁

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