セシル郡 (メリーランド州)

セシル郡について

セシル郡（Cecil County）は、アメリカ合衆国メリーランド州の北東端に位置する郡で、2020年の人口は10万3725人です。郡庁所在地のエルクトン（Elkton）は、同郡で最も人口が多く、地元新聞「セシル・ホイッグ」を発行しています。郡の名称は、メリーランド植民地の初代領主知事である第2代ボルチモア男爵セシリウス・カルバートから採られています。

歴史

セシル郡が設立される前、この地域は重要な交易拠点でした。1674年に成立したセシル郡は、当時のボルチモア郡の一部であり、広大な領域を含んでいました。インディアンのピスカタウェイ族やサスケハノック族が地域の部族と交易するなど、長い歴史を有しています。また、ボヘミアからの移民オーガスティン・ハーマンがセシル郡の設立を推進し、彼の努力により、地域の開発が進んでいきました。

セシル郡はアメリカ独立戦争以前から重要な貿易の中心地でした。農産物の生産に加え、タバコや毛皮の交易も行われ、特に1704年に設立されたセントフランシス・ザビエル教会は、州内最古の教会のひとつとして知られています。戦争中、エルクトンの土地は重要な戦略的地点となり、イギリス軍と大陸軍の両方がこの地を通過しました。

19世紀には、サスケハナ運河の開通により、ポートデポジットが繁栄し、蒸気船の技術が発展しましたが、その後の鉄道網の整備により、交易の中心地としての地位は低下していきます。南北戦争時にはペリービルが戦略的な地点となりましたが、戦闘はなかったものの、地域は南北に分かれて影響を受けました。

地理

セシル郡は北でペンシルベニア州、東でデラウェア州と接し、西にはサスケハナ川、南にはササフラス川が流れています。郡の大部分は田園地域であり、エルクトンをはじめとする都市部では発展が見られます。面積はおよそ417.88平方マイル（約1,082.3 km²）で、陸地と水域があり、水域率は約16.69%です。

主要な交通手段にはアメリカ国道40号線と州間高速道路95号線があり、これにより地域の交通アクセスが確保されています。また、チェサピーク・アンド・デラウェア運河も重要な役割を果たしています。

人口動態と教育

セシル郡では、2010年の国勢調査によれば、人口は増加傾向にあり、今後30年間で倍増すると予測されています。郡内には公共図書館や教育機関も充実しており、セシル郡公共教育学区が運営する学校において、小学校17校、中学校6校、高校5校が存在します。

まとめ

セシル郡は、その豊かな歴史と多様な文化、地理的な特性を備えた地域です。観光や経済活動の振興に注力し、未来への発展が期待されています。地域のさらなる発展には、交通網の整備や企業誘致が重要な課題となっています。

もう一度検索