セティス・ベイ (護衛空母)

セティス・ベイ (USS Thetis Bay, CVE-90/CVHA-1/LPH-6)

セティス・ベイは、アメリカ海軍の護衛空母であり、カサブランカ級航空母艦の36番艦として建造されました。艦名は、アラスカ州のクイウ島西岸にあるタベンコフ湾の一角の入り江に由来します。

艦歴

1943年12月22日にワシントン州バンクーバーのカイザー造船所で起工し、1944年3月16日にリッコ・ボッタ夫人によって進水、同年4月21日にドナルド・E・ウィルコックス艦長の指揮下で就役しました。

第二次世界大戦

慣熟訓練後、「セティス・ベイ」は太平洋の航空基地へ航空機などを輸送する任務に就きます。真珠湾、ブタリタリ、マジュロなどを経由してクェゼリン環礁に到着。帰途では陸軍関係者を輸送しました。その後も、要修理機の輸送や、補充航空機とパイロットの輸送を繰り返し行いました。

1945年6月には、航空機輸送のためサンディエゴから真珠湾へ向かい、グアムのアプラ港で第30.8任務群に編入。日本本土への最終攻撃を行う第38任務部隊に航空機を補充する任務に従事しました。終戦後の9月にはアラメダに到着し、マジック・カーペット作戦に参加、復員兵の輸送を行った後、1946年8月7日にブレマートンで退役し、不活性化工事が施されました。

強襲ヘリコプター空母・強襲揚陸艦

1955年5月、「セティス・ベイ」はサンフランシスコ海軍造船所にて強襲ヘリコプター母艦への改装工事を受け、艦種別がCVHA-1に変更されました。これにより、海兵隊員約1,000名分の居住区と、15-20機分のヘリコプター運用能力が付与されました。固定翼機用の設備は撤去され、後部エレベータが艦尾に移設されるなどの改修が行われました。

1956年7月20日に再就役し、ロングビーチを母港としてカリフォルニア沿岸での水陸両用作戦訓練に参加。その後、[極東]]へ展開しました。1959年5月28日には[[強襲揚陸艦]に艦種変更されています。

1959年8月には、台湾で発生した水害の被災者救出のため、第7艦隊の一艦として救援活動に参加。大型輸送ヘリコプターを用いて、大量の物資輸送と被災者の避難を行いました。

1960年5月には、キャンプ・ペンドルトンでの夜間演習において、ヘリコプターによる大規模な夜間上陸訓練を実施。1961年春に西太平洋での行動後、大西洋艦隊に配置換えとなり、ノーフォークを新たな母港としました。

1962年のキューバ危機では、上陸部隊とヘリコプター部隊が出動態勢を整え、1963年9月にはハリケーンに襲われたハイチへ向かい、被災者への医療援助と食糧供給を行いました。

1964年1月5日に不活性化工事のためフィラデルフィアへ向かい、同年3月1日に退役、除籍。同年12月にスクラップとして売却されました。

「セティス・ベイ」は第二次世界大戦の戦功により、1個の従軍星章を受章しています。

関連項目

アメリカ海軍艦艇一覧
アメリカ海軍護衛空母一覧

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