セブパシフィック航空

セブパシフィック航空 (Cebu Pacific Air) について

セブパシフィック航空は、フィリピンのセブ島とマニラを拠点とする格安航空会社です。ジョン・ゴコンウェイ率いるJGサミット・ホールディングスが所有しており、フィリピンの航空市場における主要なプレーヤーとして知られています。

歴史

1988年8月26日にセブ航空株式会社として設立され、1996年3月8日に最初のフライトを運航しました。当初はフィリピン国内の主要都市間を結ぶ路線を展開していましたが、2000年代には国際線にも進出し、東南アジアや北東アジアの主要都市への路線を拡大しました。日本へは2008年に関西国際空港に初就航し、その後、名古屋の中部国際空港にも乗り入れ、三大都市圏全てに直行便を持つ航空会社となりました。

運航状況

セブパシフィック航空は、フィリピン国内線で最大の航空会社であり、その路線は東南アジアから北東アジア、そしてオーストラリア、中東にまで広がっています。しかし、過去にはEU域内への乗り入れ禁止措置を受けるなどの課題もありましたが、現在は安全基準を満たし、再びEU域内への乗り入れが可能となっています。

また、シンガポールのタイガーエアとの戦略的提携により、路線網を拡大し、相互に予約や乗り継ぎが可能になりました。さらに、タイガーエア・フィリピンを完全子会社化し、ブランド名をCebgoに変更しました。

サービス

セブパシフィック航空は、格安航空会社の典型的なポリシーを採用しており、機材や整備、予約システムなどのハード面には投資していますが、無料の飲食サービスや預け入れ手荷物、マイレージプログラムなどは提供していません。その分、航空券価格「LiteFARE」として顧客に還元しています。

機内食やアルコール類は有料で、メニューの入れ替えが早く、便によっては搭載されていないものもあります。機内誌「Smile」が提供されており、機内販売のカタログとしても利用できます。支払いにはUSドルとフィリピンペソが使えますが、お釣りはフィリピンペソで支払われます。手荷物に関しては、機内持ち込みは7kgまで無料ですが、超過すると超過料金が発生するため、注意が必要です。

使用機材はエアバスA320やATR72などの最新鋭機が中心ですが、座席の間隔は広くなく、個人用モニターなどの設備はありません。ただし、A319の一部ではイヤホンを持ち込むことで音楽などが聴ける機種もあります。国際線では、その国の言語での放送がありますが、乗務員とのコミュニケーションは基本的に英語で行われます。また、ゲーム性のあるサービスも一部の便で提供されています。

就航路線

国内線:

ルソン島: マニラ、ブスアンガ、カワヤン、クラーク、ラワグ、レガスピ、ナガ、プエルト・プリンセサ、サンホセ、トゥゲガラオ、ヴィラク
ビサヤ諸島: セブ、バコロド、カティクラン/ボラカイ、ドゥマゲテ、イロイロ、カリボ、ロハス、タクロバン、ボホール
ミンダナオ島: ダバオ、ブトゥアン、カガヤン・デ・オロ、コタバト、ディポログ、ジェネラル・サントス、オザミス、パガディアン、シャルガオ、スリガオ、タウイタウイ、サンボアンガ

国際線:

東アジア: 日本（東京、大阪、名古屋、福岡）、韓国（ソウル、釜山）、中国（上海、広州）、香港、マカオ、台湾（台北）
東南アジア: インドネシア（ジャカルタ、デンパサール）、シンガポール、タイ（バンコク、プーケット）、マレーシア（クアラルンプール、コタキナバル）、ベトナム（ハノイ、ホーチミンシティ）、ブルネイ（バンダルスリブガワン）
オセアニア: オーストラリア（シドニー）
中東: アラブ首長国連邦（ドバイ）、サウジアラビア（リヤド、ダンマン）、クウェート（クウェート）

事故・トラブル

1998年2月2日、マニラ発カガヤン・デ・オロ行き387便が着陸進入中に山に激突し、乗客乗員104人全員が死亡する事故が発生しました。
2013年6月2日、マニラ発ダバオ行き971便が着陸時に滑走路を逸脱しましたが、乗客乗員全員が無事でした。
2023年9月4日と2024年5月19日には、マニラ発福岡行き923便が福岡空港への着陸時にトラブルが発生し、代替着陸後の対応で乗客に大きな負担が生じました。

関連項目

タイガーエア
バリューアライアンス

外部リンク

セブパシフィック航空 公式サイト (日本語)
セブパシフィック航空 Facebook
セブパシフィック航空 X(旧Twitter)
セブパシフィック航空 YouTube
* 株式会社エア・システム (日本語版)

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