セルゲイ・バガプシュ

セルゲイ・バガプシュ

セルゲイ・バガプシュ（Sergei Wasyl-ipa Bagapsh、1949年3月24日 - 2011年5月29日）は、アブハジア共和国の政治家であり、同国の大統領を務めました。彼の生涯は、ソビエト連邦時代からアブハジア共和国の独立、そしてその後の政治的混乱期と深く結びついています。

生い立ちと初期のキャリア

バガプシュはスフミ市で生まれ、グルジア亜熱帯経営大学で農学を専攻しました。大学在学中から、ワイン工場や国営銀行の集金人として働き、社会経験を積みました。1972年にはモクフスク製油ソフホーズの農業課長に就任。その後、軍務を経て、コムソモール（ソ連共産党青年組織）でのキャリアをスタートさせました。コムソモール・アブハジア州委員会教官として活動を始め、1978年にはコムソモール・グルジア中央執行委員会情報班副班長、労働・農業青年課主任へと昇進。

1980年には、コムソモール・アブハジア州委員会第一書記となり、地域における青年運動を主導しました。1982年、グルジア共産党オチャムチレ地区委員会第一書記に就任し、党幹部としてのキャリアを築きました。1992年にはアブハジア自治ソビエト社会主義共和国閣僚会議副議長となり、政治の世界で重要な役割を担うようになります。

アブハジア共和国での政治活動

1993年、アブハジア共和国閣僚会議第一副議長に就任。1995年にはアブハジア共和国第一副首相となり、政府内で重要な地位を占めるようになりました。1997年4月29日から1999年12月20日には、アブハジア共和国首相として、国内の政治と経済を統括しました。首相退任後は、1999年から2004年まで国営会社「チェルノモルエネルゴ」の社長を務め、エネルギー分野での手腕を発揮しました。

大統領就任と急逝

2005年1月12日、バガプシュはアブハジア共和国大統領に選出され、同年2月12日に就任しました。大統領として、アブハジアの国際的な地位向上と国内の安定に尽力しました。しかし、大統領在任中の2011年5月29日、モスクワ市内の病院にて肺癌の手術中に心不全を発症し、急逝しました。62歳でした。

人物像とエピソード

バガプシュは、アブハジア・バスケットボール連盟の総裁も務めるなど、スポーツにも関心がありました。家族は妻と1男1女で、家庭を大切にする一面もありました。また、旧ソ連の独裁者ヨシフ・スターリンが建設した別荘を大統領邸宅として使用していたことでも知られています。

バガプシュの生涯は、アブハジアの激動の歴史と深く結びついており、彼の政治的リーダーシップは、アブハジアの将来に大きな影響を与えました。彼の急逝は、アブハジアにとって大きな損失であり、多くの人々に惜しまれました。

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