セルジュ・リファール

セルジュ・リファール：20世紀バレエ史に輝く巨匠

セルジュ・リファール(1905年4月2日-1986年12月15日)は、20世紀バレエ界を代表する、ウクライナ出身のダンサーにして振付家です。キエフに生まれた彼は、「舞の神」と称されるほどの卓越した才能で、世界中のバレエファンを魅了しました。

ディアギレフとの出会い、そしてバレエ・リュス

リファール家は、ウクライナのカーニウ町を起源とするコサックの家系でした。彼は、伝説的なバレエダンサー、ヴァーツラフ・ニジンスキーの妹、ブロニスラヴァ・ニジンスカから指導を受けました。その後、1923年に、セルゲイ・ディアギレフ率いるバレエ・リュス(ロシア・バレエ団)に入団します。

ディアギレフは、革新的な演出と才能あるダンサーたちによって、バレエ・リュスを世界的なバレエ団へと成長させました。リファールは、ディアギレフの信頼を厚く得て、バレエ・リュスの発展に大きく貢献します。ディアギレフの死(1929年)に際しては、コフノ、セール、シャネルらと共にその最期を看取りました。

パリ・オペラ座での活躍

バレエ・リュスの解散後、リファールはパリ・オペラ座バレエ団の首席ダンサーに就任。さらに、1930年から1944年、そして1947年から1958年まで、バレエ・マスター(芸術監督)として、パリ・オペラ座バレエ団を率いました。その間、彼は数多くの作品を創作し、パリ・オペラ座バレエ団の黄金時代を築き上げたのです。1953年には来日公演を行い、『薔薇の精』などの作品で日本の観客を魅了しました。

リファールの芸術

リファールは、卓越したテクニックと表現力を持つダンサーとして知られていました。その踊りは、力強さと繊細さを兼ね備え、観る者を圧倒するほどの魅力がありました。さらに、振付家としても才能を発揮し、多くの革新的な作品を生み出しました。彼の作品は、クラシックバレエの伝統を踏まえつつも、現代的な要素を取り入れ、常に観客を魅了し続けました。

後世への影響

リファールは、数多くの優れたダンサーを育成し、バレエ界に多大な影響を与えました。彼の芸術は、現代バレエの発展に大きな足跡を残し、後世のダンサーや振付家に多大な影響を与え続けています。彼の功績は、単にバレエの枠を超え、20世紀の芸術文化全体に大きな貢献をしたと言えるでしょう。

没後

1986年12月15日、スイスのローザンヌで死去しました。彼の死は、バレエ界に大きな悲しみをもたらしましたが、彼の残した偉大な功績は、これからも多くの人々に感動を与え続けるでしょう。

参考文献

『ポーランド・ウクライナ・バルト史 』 伊東孝之,井内敏夫,中井和夫. 山川出版社, 1998. (新版世界各国史 ; 20)
『物語ウクライナの歴史』 黒川祐次. 中央公論新社. 2002.
* Абліцов В. Галактика „Україна“. Українська діаспора: видатні постаті — К.: КИТ, 2007. — 436 с.

もう一度検索