セルビア義勇親衛隊

セルビア義勇防衛隊

セルビア義勇防衛隊（Српска добровољачка гарда / Srpska dobrovoljačka garda）は、ユーゴスラビア紛争中に活動した、志願兵による準軍事組織です。設立者であり指揮官であったジェリコ・ラジュナトヴィッチ（通称アルカン）の元、各地で戦闘に参加しました。

概要

構成員は「虎」または「アルカンの虎」と呼ばれ、その残虐性で悪名をとどろかせました。クロアチア紛争（1991年 - 1992年）、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争（1992年 - 1995年）、コソボ紛争（1998年 - 1999年）において、セルビア側の戦力として活動し、多くの戦争犯罪に関与したとされています。

歴史

1990年10月11日、サッカークラブ、レッドスター・ベオグラードの熱狂的なファン組織「Delije Sever」から集められた20人の志願兵によって結成されました。最盛期には1万人を超える兵士が所属していたと伝えられています。

司令部と訓練キャンプは、エルドゥトおよび東スラヴォニアに置かれました。これらの地域は、クライナ・セルビア人共和国が制圧されるまで、セルビア人住民が多数を占めていました。防衛隊は、クライナ・セルビア人共和国の正規戦力として、同地域の領土防衛を担いました。

1996年4月に公式に解散しましたが、その影響力はその後も残りました。指導者アルカンの右腕として、ネボイシャ・ジョルジェヴィッチやミロラド・ウレメクといった人物が知られています。

1998年にコソボでアルバニア人が独立を求めて反乱を起こすと、かつての防衛隊の兵士たちは、ユーゴスラビア軍や警察軍（JSO、通称「レッドベレー」）に編入され、コソボ紛争に投入されました。

2003年には、元防衛隊のメンバーであったズヴェズダン・ヨヴァノヴィッチ（当時の役職は警察軍中佐）が、ゾラン・ジンジッチ首相を暗殺するという事件を起こし、国内外に大きな衝撃を与えました。

戦争犯罪の嫌疑

アルカンことジェリコ・ラジュナトヴィッチ自身は、1997年に旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷（ICTY）から、セルビア義勇防衛隊の指揮官として、人道に対する罪、ジュネーヴ条約違反、戦時国際法違反の容疑で起訴されました。起訴内容には、1992年のビイェリナおよびズヴォルニクにおける民族浄化への関与が含まれています。また、ICTYは、1995年9月頃にサンスキ・モスト近辺で、アルカンの指示の下、約70人のボシュニャク人男性が殺害されたと指摘しています。

主な構成員

ジェリコ・ラジュナトヴィッチ（アルカン） - 設立者、指導者
ボリスラヴ・ペレヴィッチ
ミロラド・ウレメク
ズヴェズダン・ヨヴァノヴィッチ

関連項目

ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争
クロアチア紛争
コソボ紛争
ジェリコ・ラジュナトヴィッチ

外部リンク

* ICTY indictment against Arkan

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