セレクト女子〜優柔不断な私にドロップキック〜

セレクト女子〜優柔不断な私にドロップキック〜

『セレクト女子〜優柔不断な私にドロップキック〜』は、2019年2月1日よりYouTubeのAlphaBoat Storiesチャンネルにて配信されたオリジナルのウェブドラマシリーズです。本作は、視聴者の判断によって物語の展開、特に主人公の恋の行方が大きく変化する『マルチエンディング・ラブ・ストーリー』形式を採用しています。

過去にもウェブドラマの実績があるAlphaBoat Storiesが手掛けた意欲作であり、従来の受動的な視聴体験とは異なり、視聴者自身が物語の重要な選択に関わることで、能動的にドラマの世界に入り込むことを目指しました。

物語の構造と特徴

このドラマは基本的に全4話構成を主軸としながらも、第1話以降は視聴者の選択によって物語が大きく枝分かれしていくのが最大の特徴です。これにより、物語の結末はハッピーエンドからバッドエンドまでを含む実に10種類ものパターンが用意されました。また、視聴者の選ぶ道によっては、第3話で物語が完結することもあれば、最長で第5話まで展開することもあり、全体としては合計20本の動画コンテンツによって構成されています。これにより、一度見ただけでは全貌を把握できない、繰り返し視聴して異なる結末を体験できるという点が魅力となっています。

ユニークな表現手法

本作のもう一つの大きな特徴は、主人公である優奈の複雑な心情や葛藤を視覚的に表現するため、彼女の脳内をプロレスの試合として描写するというユニークな手法が採用された点です。優奈が悩み、迷う時、その脳内では彼女の感情を擬人化したキャラクターたちが、リング上で激しい闘いを繰り広げます。この脳内プロレスシーンには、アイスリボン所属の現役プロレスラーが起用され、「怒り」「不安」「悲しみ」「喜び」といった様々な感情を体現しました。感情ごとに異なるカラーのコスチュームを纏い、実際のプロレス技も交えながら表現される内面のぶつかり合いは、ドラマに独特のユーモアとインパクトを与えています。

あらすじ

物語は、恋愛に消極的で優柔不断な女子大生、優奈のもとに、彼女が密かに好意を寄せるクラスメイトの賢治から突如LINEメッセージが届く場面から始まります。この予期せぬ連絡に対し、すぐに返信するべきか、それとも慎重に言葉を選んでから返すべきか――。視聴者はこの最初の選択から、優奈の心の葛藤に寄り添い、物語の重要な岐路を決定することになります。一つのメッセージへの返信から始まる、優奈の恋の行方を巡る心のドラマが描かれます。

登場人物

優奈
演：武田玲奈
主人公。恋愛に奥手で内向的ながら、内面の葛藤が激しい女子大生。部屋には個性的なアイテムが多く、影響されやすい一面も。演じた武田玲奈は、多くのシーンで一人芝居に近い演技が求められ、非時系列での撮影における感情の維持に苦労したと語っています。
脳内感情（プロレスラー）
怒り（演：藤本つかさ）：赤いコスチューム。不安とタッグ「嫉妬」を組むことも。
不安（演：宮城もち）：黒いコスチューム。悲しみと連携することも。
悲しみ（演：雪妃真矢）：青いコスチューム。不安と仲が良い。
喜び（演：ジュリア）：ピンクのコスチューム。
選択によっては、これらの感情が「激怒」「恐怖」「絶望」「歓喜」といった化身に変身することもあります。
レフェリー
演：テキーラ沙弥
優奈の脳内で、感情たちのプロレスを裁く存在。
家族
母・和実（演：内八重友賀）
父・忍（演：柴田明良）
妹・美緒（演：緒川佳波）：14歳。姉思いだがおせっかいな一面も。
賢治
演：狩野絹成
優奈が片思いしている相手。
Selfarm
演：Selfarm
物語中の選択に関連するロックバンド。劇中でPV映像が使用されます。

スタッフ

監督・撮影・編集：鳥居康剛
脚本：袴田周太、鈴木あゆみ
エグゼクティブプロデューサー：西谷大蔵
企画：谷島正之、柳原祥広
プロデューサー：佐藤法重、島田裕子、上野境介
録音：宋瑞晋
スタイリスト：匂阪真人
ヘアメイク：松田蓉子
撮影助手：渡辺文
撮影応援：岡崎孝行
スタイリスト助手：野中彩生、金井陽香
ヘアメイク応援：芹川善美
ヘアメイク助手：中島千裕
監督補：坂野崇博、山形啓将、深野景太
制作部：加藤芽生、虫狩愉司
アシスタントプロデューサー：酒井明、新枦聖也
サムネイルデザイン：山中啓輔

制作体制

製作：ALPHABOAT
制作：ツインピークス
制作プロダクション：キャンター
* 制作協力：アスミック・エース

本作は、視聴者を物語の進行に巻き込むインタラクティブな形式と、脳内プロレスという斬新な視覚表現を融合させた、当時としては珍しいタイプのウェブドラマとして注目を集めました。

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