セレスピード

セレスピードとは

セレスピード（Selespeed）は、アルファロメオの車両に特有のオートメイテッドマニュアルトランスミッションの名称です。このシステムは、イタリアのマニエッティ・マレリという企業によって開発され、デーナ・グラツィアーノによって製造されています。セレスピードは、運転の楽しさと快適さを両立させるために設計された革新的な技術です。

機能と操作

セレスピードの最大の特長は、電子クラッチを搭載した自動化されたマニュアルトランスミッションである点です。このシステムは、従来のマニュアルトランスミッションの感覚を残しつつ、運転の快適さを向上させています。運転者は、ステアリングホイールのパドルシフターや、ツーリングカーで一般的なジョイスティックを用いて、簡単にギアを操作することができます。右側のパドルシフターはシフトアップ用、左側はダウンシフト用として設定されています。

また、セレスピードには「シティモード」が装備されており、これにより自動的にギアがシフトされ、都市部での運転もスムーズに行えます。これにより、ストップ＆ゴーの多い都市での運転もストレスなく楽しむことができます。

ヒストリー

セレスピードは、1999年にアルファロメオ・156に初めて搭載され、当時のクラスではロボット化されたギアボックスを持つ初の車として注目を集めました。初期モデルでは、ステアリングホイールに付けられたボタンでギアチェンジを行っていましたが、2002年の156フェイスリフト時には新しいデザインのステアリングホイールが導入され、それに伴いパドルシフターが導入されました（アルファロメオ・147で初めて搭載）。

現在では、運転手は通常走行中にパドルまたはジョイスティックのいずれかを使用できますが、ジョイスティックモードを選択中にパドルを使用しようとすると、ジョイスティック操作が優先されます。ギアのシフト速度は、エンジンの回転数に依存しており、5,000 rpm以上かつスロットルが60%を超えている場合には、より迅速なギアシフトが行われます。さらに、レブリミッターが搭載され、エンジン回転数が過剰に上がるのを防ぎます（GTAモデルではこの機能は除外されています）。

自動でレブマッチングが行われるため、スポーツ走行時でも滑らかなギアチェンジが可能です。一方で、シティモードを利用することで、オートマチックトランスミッションと同様に都市部での運転が快適に行えます。

他車種との関連

セレスピードは、アストンマーティンやBMW、フェラーリ、フィアット、ランボルギーニ、マセラティ、メルセデス・ベンツ、ルノーなど、さまざまな車両にも採用されています。特にフィアット車では「デュアロジック」、ランチア車では「D.F.N.」と名付けられ、マニエッティ・マレリ製のオートメイテッドマニュアルトランスミッションが活用されています。基本的な仕組みは各車両で類似していますが、操作の速さは価格の高い車両ほど優れています。

まとめ

セレスピードは、運転者に高い操縦性と快適性を提供するために開発された先進的なトランスミッションです。アルファロメオをはじめとする多くのメーカーに採用され、その技術は今も進化を続けています。

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