セレス県(
ギリシャ語: Περιφερειακή ενότητα Σερρών)は、
ギリシャ共和国の中央
マケドニア地方に属する行政区です。県都はセレス市で、北緯41度05分、東経23度35分に位置しています。この地域は、古代からの歴史と豊かな自然に恵まれ、多様な魅力を持っています。
地理
セレス県は、テッサロニキ県、
キルキス県、ドラマ県、
カヴァラ県と接しており、北部は北
マケドニア共和国、
ブルガリアとの国境を形成しています。県内には、オルヴェロス山脈、メニキオ山脈、パンゲオ山脈、ケルディリオ山脈、ヴェルティスコ山脈といった山々が連なり、地形の変化に富んでいます。南にはストリモナス川が流れ込むデルタ地帯が広がり、ストリモニア湾に面しています。かつてはケルキニティエス湖という湖が存在しましたが、現在は干上がっています。県の面積は
ギリシャ全土の約3%を占め、その41%はストリモナス川流域の肥沃な農地です。東部にはアンギティス川が流れ、アリストラティ付近には渓谷や洞窟が形成されています。
気候
気候は、県南部では地中海性気候が、高地部では
大陸性気候が見られます。ストリモナス川流域では温暖な気候が特徴で、農業に適しています。
主要都市
セレス県最大の都市は県都のセレス市です。他に、ニグリタ、シディロカストロ、イラクリアなどの都市があります。
- - セレス(Σέρρες): 54,266人
- - ニグリタ(Νιγρίτα): 5,566人
- - シディロカストロ(Σιδηρόκαστρο): 5,711人
- - イラクリア(Ηράκλεια): 3,551人
歴史
近現代において、セレス県は、
ギリシャ、
ブルガリア、ユーゴスラヴィア、
オスマン帝国の間で領有権が争われた地域でした。
第一次バルカン戦争で
ブルガリア領となりましたが、
第二次バルカン戦争で
ギリシャ領となり、第二次世界大戦中には
ブルガリアに占領されましたが、1944年に
ギリシャに復帰しました。
社会
県
人口は20万人を超え、その多くは希土戦争中に東トラキアや小アジア、
ポントス地方から避難してきた人々の末裔です。
経済・産業
セレス県では、
ブルガリアとの国境付近で
ブランデーのメタクサが生産されています。レリア付近には森林やスキー場があり、アノ・ポリアのケルケニ湖、アリストラティ洞窟、アンギティス渓谷などは観光地として人気があります。
行政区画
セレス県は、複数の市(ディモス)から構成されています。カリクラティス改革以前は、多くの基礎自治体(ディモス、キノティタ)が存在しましたが、改革によって新しい市が形成されました。詳細については、自治体一覧を参照ください。
交通
主要な道路として、国道2号線(
欧州自動車道路E75号線、エグナティア高速道路)、国道12号線(
欧州自動車道路E90号線)、国道63号線、国道65号線が整備されています。
マスメディア
県内には、TV SerresやDiktyo TVなどのテレビ局があります。
著名な出身者
セレス県出身の著名人には、
サッカー選手のアンゲロス・ハリステアス、政治家のコンスタンディノス・カラマンリス、
ギリシャ独立戦争の英雄エンマヌイル・パッパス、歌手のグリケリアとナンシ・ステルイオプル、
体操選手のヨアンニス・メリサニディスなどがいます。
スポーツ
県内には、パンセレコスFCなどのスポーツチームがあります。
外部リンク