セントー級航空母艦

セントー級航空母艦

概要

セントー級航空母艦は、イギリス海軍が運用した軽空母の一種であり、後にコマンドー母艦に改装された艦でもあります。この艦級の中で特に重要なのが「ハーミーズ」であり、その独自の設計や運用能力が注目されています。セントー級は、先行するコロッサス級およびマジェスティック級の発展型として位置付けられています。特にハーミーズは設計が大きく見直され、独立した艦級として扱われることがあります。

来歴

第二次世界大戦の初期、イギリス海軍では航空母艦の建造が急務とされていました。これに応じて、従来の艦隊空母に比べてはるかに軽量で、速力を重視した軽艦隊空母が求められました。結果として、コロッサス級がまず建造され、次いでマジェスティック級が登場しました。1942年12月、航空合同技術委員会は艦上機の重量を増加させた新型艦の建造を推奨し、その結果としてセントー級が誕生しました。

当初は8隻の建造が計画されましたが、技術的な課題から建造が遅延し、最終的には4隻が完成しました。「ハーミーズ」は進水後に一時保管状態になりましたが、1955年に改装が決まり、最終的に1959年に竣工しました。

設計

セントー級の設計は、コロッサス級およびマジェスティック級を基にしたもので、機関はギアード・タービン方式を採用しています。出力は76,000馬力で、2軸のスクリュープロペラを駆動し、最高速力は28ノットに達します。機体の運用能力も向上しており、カタパルトを利用して最大30,000ポンドの航空機を75ノットで射出可能です。

特に「ハーミーズ」は、アングルド・デッキを持ち、艦上機の運用にも優れた性能を発揮しました。しかし、この航空艤装では新型の艦上戦闘機であるファントムを運用できず、次第にコマンドー母艦へと変更されることが多くなりました。

能力

航空運用機能

各艦の発着艦設備は、搭載機の重量や特性に対応しており、改装やアップグレードによって能力が向上しています。特に「ハーミーズ」は、対潜空母としての役割を果たし、1980年代にはVTOL機であるシーハリアーを搭載するための改装を受けました。これにより、史上初めての恒久的なスキージャンプ台が設置され、運用の幅が広がりました。

格納・補給

艦上のエレベーターは大型化され、格納庫の高さも増加して、搭載機の運用が効率的に行えるようになっています。また、搭載機の種類も任務ごとに異なり、戦争や演習に応じて柔軟に対応可能です。

輸送揚陸機能

イギリス海兵隊は、ヘリコプターの役割を初期から重視し、セントー級の改装によってコマンドー母艦としての機能を強化しました。この艦は水陸両用作戦に対応できる設計となり、輸送ヘリコプターを使用した戦術運用が可能でした。

個艦防御機能

当初は艦砲での防御が計画されていましたが、設計の見直しにより防御武装は減少しました。特に「ハーミーズ」では、レーダー装備の強化について代償に機銃が削減されています。これらの防御機能は、その後の改修によっても改善されていきました。

同型艦一覧

艦級には複数の同型艦が存在し、それぞれ異なる役割と改装が施されています。各艦によって搭載機や運用スタイルが異なるため、その運用の歴史を通じて変化していきました。

結論

セントー級航空母艦はイギリス海軍の歴史において重要な役割を果たしており、戦術の変化に柔軟に対応してきました。「ハーミーズ」を中心に、その設計や運用は他の航空母艦にも影響を与えたと言えるでしょう。

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