セヴェロバイカリスク

セヴェロバイカリスク

セヴェロバイカリスク（ロシア語: Северобайка́льск）は、ロシアのブリヤート共和国に位置する町で、その名はバイカル湖の北端の意味を持っています。2021年時点での人口は約2万4233人です。この町は、ティヤ川がバイカル湖に注ぐ地点に位置しており、ブリヤートの首都ウラン・ウデからは約440km北西、東シベリアの中心都市イルクーツクからは490km北東にあります。

歴史

セヴェロバイカリスクは、1974年にバイカル・アムール鉄道（バム鉄道）の建設作業用の集落として誕生しました。もともと、当地区は中ソ対立や中ソ国境紛争の影響を受けていましたが、ヨシフ・スターリンの死後、バム鉄道の重要性が再評価され、1970年代中頃に工事が再開されました。バイカル湖沿岸に位置するこの地が選ばれ、町は急速に発展し、1980年には正式に町としての認可を受けました。この地区は、ブリヤートの土地における新たな集落として期待され、将来的には人口が14万人に達するという計画も存在しました。

建設作業には、コムソモールの志願者や労働者が参加し、1974年に宿営地を設けました。当初「ノヴォゴドニイ」と呼ばれていた宿営地は、鉄道建設が進むにつれて拡大し、その後町として認知されることになりました。しかし、1984年にバム鉄道が完成するまでに町の成長は続きましたが、その後の経済危機やペレストロイカによって街は衰退しました。1980年代には、人口が35,000人にも達しましたが、1990年代初頭には28,336人まで減少し、2006年には25,800人と推定されました。今でもこの町はコムソモールの志願者が築いた歴史を持ち、比較的若い人口構成を維持しています。人口の90%が正教会信者で、10%はブリヤート民族です。

地理

セヴェロバイカリスクは、バイカル湖北端の高原に位置し、ティヤ川の河口が近くにあります。西方向にはバイカル山脈があり、北東側にはスタノヴォイ高地に囲まれています。この地理的な特性から、セヴェロバイカリスクは交通の便が悪く、最寄りの町であるウスチ＝クートまでの距離は260km以上であり、主要都市のウラン・ウデやイルクーツクも500km近く離れています。町の建物は、プレハブのコンクリートパネル製のアパートが主流で、5階から6階建ての構造が一般的です。地震活動が活発な地域であるため、建物設計には耐震性が強く意識されています。町の中心には、鉄道駅があり、その設計はレニングラードの建築家によるもので、船の帆を模した形状をしています。その周辺には市役所や文化施設、さらに教会や博物館も存在します。

気候

セヴェロバイカリスクの気候は亜寒帯気候に属し、大陸性気候の特徴が見られます。季節による気温差が大きく、夏は温暖で7月の平均最高気温は21度に達します。一方で冬は厳しい寒さが続き、1月の平均最高気温はマイナス18度、平均最低気温はマイナス27度に達します。

交通

鉄道路線に関しては、かつてはバイカル・アムール鉄道が唯一の交通手段でしたが、その後はウリカンやウスチ＝クートへの道路が新たに開通しました。水上交通では、夏季にバイカル湖を経てイルクーツクまでサービスを提供するヴォスホート型水中翼船が利用されています。また、ニジネアンガルスクに位置する空港からは、イルクーツクやウラン・ウデへ向かう航空便も運航されており、交通の便も徐々に向上しています。

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