セーデルテリエ

セーデルテリエ：スウェーデンの国際色豊かな工業都市

セーデルテリエは、スウェーデンのストックホルム県に位置する都市で、セーデルテリエ市の市庁所在地です。首都ストックホルムの南約30kmに位置し、人口は約7万6千人（2020年）を擁する工業都市として知られています。しかし、セーデルテリエの魅力はそれだけではありません。ビジネス、文化、そして人口構成において、国際都市としての側面を強く持っています。

歴史

セーデルテリエの歴史は古く、紀元600年頃までメーラレン湖が海の一部であった時代に遡ります。地盤の隆起によって海から切り離された湖は、この地の地形に大きな影響を与えました。11世紀には「Telje」として記録に登場し、17世紀にはストックホルムの北にも同名の町が建設されたことから、セーデル（南）とノール（北）を冠して区別されるようになりました。

18世紀には勅許を得ましたが、大北方戦争と疫病の流行により、人口は一時200人まで激減しました。しかし、その後徐々に復興を遂げ、現在の発展に至っています。

人口構成

セーデルテリエの人口構成は非常に多様で、外国にルーツを持つ住民の割合は約39%に達し、その割合は年々増加しています。特にアッシリア系の住民が多く、市内には5つの教会、2人の司教、2つのサッカークラブのほか、多数の店舗や協会が存在します。アッシリア系の国際放送局であるスロヨTVとスルヨヨ・サトも、セーデルテリエに放送センターを置いています。

イラク戦争後には、多くイラク難民が流入し、アメリカ合衆国とカナダを合わせたよりも多い数のイラク難民が市内に居住するようになりました。その他、フィンランド系、ユーゴスラビア系、チリ系の住民も多く、スウェーデン語のほか、シリア語やアラビア語が話されています。

経済

セーデルテリエは、フォルクスワーゲンのスウェーデン本社、トラックメーカーのスカニア、製薬会社のアストラゼネカなど、多くの企業が拠点を置く工業都市です。セーデルテリエ港は、ストックホルム地方で2番目に大きな商港であり、物流の拠点としても重要な役割を果たしています。また、市街の南10kmに位置するイェルナには、ラントメンネン・アクサ・フードサービスの本社があります。

スポーツ

セーデルテリエはスポーツも盛んな都市です。アイスホッケー国内1部のセーデルテリエSKは、市内のAXAスポーツ・センターを本拠地としています。サッカーでは、1974年発足のアッシリスカFFと1977年発足のシリアンスカFCが、セーデルテリエ・フォトボルサレーナをホームとして共用しています。バスケットボールのセーデルテリエBBKは、2004/2005シーズンにスウェーデン王者となりました。

地理と気候

セーデルテリエは、メーラレン湖に面しており、湖は全長56km、深さ6.1mのセーデルテリエ運河でバルト海と接続しています。この運河は、ストックホルムとヨーテボリを結ぶイェータ運河の一部でもあり、蒸気船が航行しています。

気候は、ストックホルム一帯で典型的な湿潤大陸性気候で、四季がはっきりしています。夏は日照時間が長く、冬は短くなります。メキシコ湾流の影響で、同緯度の地域に比べて温暖で、晴天の日が多いのが特徴です。年間降水量は少なめで、冬には降雪がありますが、積雪は長続きしません。

交通

セーデルテリエは、ストックホルム公共交通網の範囲内にあり、市内外へのアクセスが容易です。市中心部から5kmほど離れたセーデルテリエ南駅には、全国各地へ向かう列車が停車します。

出身有名人

セーデルテリエは、多くの著名人を輩出しています。テニス選手のビョルン・ボルグ、テレビ番組司会者のハッセ・アロ、作家のヤン・ギィユーなどがその代表例です。

セーデルテリエは、その豊かな歴史、多様な文化、そして活気ある経済によって、スウェーデンの中でも独特な魅力を持つ都市と言えるでしょう。

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