セーラー万年筆

セーラー万年筆株式会社について

セーラー万年筆株式会社（The Sailor Pen Co.,Ltd.）は、文房具を中心とした製造メーカーです。東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、筆記具業界の老舗として知られています。

概要

1911年（明治44年）2月、阪田久五郎が広島県呉市にて「阪田製作所」を創業したのが始まりです。1932年（昭和7年）に株式会社化し、「株式会社セーラー万年筆阪田製作所」を設立しました。その後、数度の社名変更を経て現在の社名に至っています。

同社は、パイロットコーポレーションとブランド名が似ていることで知られていますが、その由来は異なります。セーラー万年筆は、創業地の呉が軍港都市であったこと、そして「水兵（セーラー）」のように多くの人に愛される製品を作りたいという思いから名付けられました。ロゴマークには、錨（いかり）が用いられています。

セーラー万年筆は、日本初のボールペン製造やカートリッジ式万年筆の特許取得など、常に業界をリードしてきました。現在では、文具製品だけでなく、産業用ロボットの生産も手がけています。売上構成は、ロボット機器が約28%、文具類が約72%となっています。

1952年（昭和27年）に本社を東京に移転しましたが、2021年（令和3年）4月には、登記上の本店を創業地である呉に戻しました。これは、創業の精神を大切にするという同社の姿勢を示すものです。

沿革

1911年（明治44年）2月：阪田久五郎が広島県呉市で国産初の万年筆製造を開始。
1932年（昭和7年）8月：株式会社セーラー万年筆阪田製作所を設立。
1941年（昭和16年）4月：株式会社阪田製作所に商号変更。
1948年（昭和23年）2月：国産初のボールペン「セーラー・ボール・ポイント・ペン」を発売。
1949年（昭和24年）6月：広島証券取引所に上場。万年筆のプラスチック射出成型機を開発、発売。
1952年（昭和27年）5月：株式会社セーラー万年筆阪田製作所に商号変更。
1960年（昭和35年）5月：セーラー万年筆株式会社に商号変更。
1961年（昭和36年）10月：東京証券取引所市場第二部に上場。
1969年（昭和44年）5月：ロボットマシンの製造を開始。
1972年（昭和47年）：国産初の筆ペンを開発、販売。
1978年（昭和53年）4月：本社を東京都台東区に移転。
1997年（平成9年）4月：本社を東京都江東区に移転。
2017年（平成29年）3月：本社を東京都墨田区に移転。
2018年（平成30年）7月：文具・事務用品大手のプラス株式会社と資本・業務提携を締結。
2020年（令和2年）7月：大手文具メーカーのぺんてるとロボット事業における業務提携を発表。
2021年（令和3年）4月：登記上の本店を創業地である広島県呉市に移転。5月、本社機能を東京都港区虎ノ門に移転。
2022年（令和4年）4月：東京証券取引所の市場区分見直しにより、東京証券取引所の市場第二部からスタンダード市場に移行。5月、プラス株式会社の子会社となる。10月、西日本豪雨で被害を受けた広島工場の改修工事が完了。

商標の由来

「セーラー」という商標は、創業地である呉が軍港都市であったこと、そして将来的に自社製品を船で海外に輸出したいという願いから名付けられました。また、一人の提督よりも多くの「水兵（セーラー）」が大切だという民主主義的な思想も込められています。

主要取扱品目

万年筆、ボールペン、水性ボールペン、シャープペンシル、筆ペン、マーキングペン、修正ペン、インクの製造及び販売
ロボットマシンの製造及び販売
パチンコ景品払出機、景品業者向け省力化機器の製造及び販売
その他ギフト商品等の販売

歴代社長

2003年（平成15年）：西本博行
2003年（平成15年） - 2009年（平成21年）：碓井初秋
2009年（平成21年） - 2015年（平成27年）：中島義雄
2015年（平成27年） - 2022年（令和4年）：比佐泰
2022年（令和4年） - 現職：町克哉

脚注

関連項目

らんか社 - 旧商号はセーラー出版。2012年3月までセーラー万年筆の持分法適用関連会社だった。

外部リンク

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