セーラー服と機関銃 (映画)

『セーラー服と機関銃』について

『セーラー服と機関銃』（セーラーふくときかんじゅう）は、赤川次郎の同名小説を原作とした映画で、1981年12月19日に全国東映系で公開されました。監督は相米慎二が担当し、主演は当時の人気女優、薬師丸ひろ子です。彼女の出演により、この作品は日本映画の中でも特異な存在となりました。

興行的成功とその影響

『セーラー服と機関銃』は、製作費1億5000万円という巨額を投じられ、最終的に興行収入は47億円に達しました。これは1982年の日本映画の中で、最も高い配給収入を記録したものです。併映作品『燃える勇者』と合わせた配給収入は23億円に達し、当時の映画業界において大きな話題となりました。その主題歌もヒットを記録し、作品全体が商業的に成功を収めました。

あらすじ

物語は嵐の夜、目高組の組長が臨終を迎えるところから始まります。組長は急遽甥に跡を継がせることを決めますが、実はその甥の星泉は明るく元気な女子高生です。彼女は父の突然の死を受け共に暮らすことになった女と一緒に、父の遺志を受け継ぎ、ヤクザ組織の組長としての道を歩むことになります。泉は様々な困難に直面し、仲間たちとの絆を深めながら、危険な立場に身を置くことになります。

泉は組長になることを宣言し、敵対する組織との対峙や学校での強制退学など、さまざまな試練を乗り越えていきます。彼女は父の遺志や仲間との絆を深めながら、最終的には自らの道を選び取る姿が描かれています。

製作の舞台裏

この映画は、原作の赤川次郎と製作の伊地智啓の強い信念により実現しました。脚本は田中陽造が手掛け、相米監督の独自の演出が施されています。撮影は東京都の新宿周辺で行われ、使用された制服や小道具は実際のものを忠実に再現されました。特に、薬師丸が使用したセーラー服は、自身の学校から借りたもので、撮影においても重要な要素として機能しました。

映画の影響

公開当初、映画は珍しいタイプのアイドル映画とされる中で、鮮やかな映像美と薬師丸の演技力が高く評価されました。相米監督は映画作りにおける新しいアプローチを試み、長回しや実験的な撮影技法を採用しました。その結果、映画は観客に深い印象を残すことができました。特にラストショットでは、実際の新宿の歩行者天国での撮影が行われ、非常にリアルな雰囲気を醸し出しています。

結論

『セーラー服と機関銃』は単に興行的成功を収めただけでなく、そのストーリーや演出から日本映画の新たな可能性を切り拓く作品となりました。薬師丸ひろ子のキャリアの中で、特に重要な作品として位置づけられ、後の映画制作に多大な影響を与えることとなったのです。今日においても、この映画は日本映画界の中での重要な地位を占めています。

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