ゼダーン

ゼダーン：フランスの栄光と日本の成功を繋いだ種牡馬

ゼダーンは、フランスを代表する競走馬にして、種牡馬として日本でも大きな成功を収めたサラブレッドです。競走馬時代には、フランス2000ギニーに相当するプール・デッセ・デ・プーランや、イスパーン賞など、数々の重賞競走を制覇しました。特にイスパーン賞での勝利は、ロンシャン競馬場のコースレコードを樹立する快挙でした。

1969年、ゼダーンはフランスで種牡馬入りします。その才能はすぐに開花し、初年度産駒のカラムーンは、プール・デッセ・デ・プーランを制し、父子制覇という偉業を達成しました。カラムーンはその後もジャック・ル・マロワ賞、リュパン賞と、フランスの主要G1競走3勝を挙げ、ゼダーンの名声を高めました。フランスでは、ゼダーンは合計3頭のG1競走優勝馬を輩出するなど、種牡馬としても大きな成功を収めました。

1979年、ゼダーンは日本へと輸出されます。日本でもその繁殖能力は衰えず、数々の活躍馬を輩出しました。中でも、エリザベス女王杯を制したキョウワサンダーや、中山大障害、京都大障害など幾多の重賞を制した名障害馬ヤマニンアピールは、ゼダーンの代表的な産駒として知られています。その他にも、ウインターステークス優勝のクラウンエクシード、朝日チャレンジカップと北九州記念を制したタニノスイセイ、金鯱賞優勝のパッシングパワーなど、多くの競走馬が中央競馬で活躍しました。

ゼダーンが産駒に遺した最も大きな特徴は、芦毛の遺伝子です。ゼダーン自身はホモ接合型の芦毛遺伝子を持っており、その産駒は全て芦毛でした。そのため、日本のサラブレッド界における芦毛馬の増加に大きく貢献し、芦毛中興の祖とも称されています。

ゼダーンの血統背景も非常に興味深いです。母はフォレ賞優勝馬という良血を受け継ぎ、半妹のアシャラズは、重賞3勝馬シャファラズを輩出しています。父はナスルーラ系の代表的な種牡馬であり、ゼダーンの能力の高さは、優れた血統に裏打ちされたものと言えるでしょう。さらに、半妹のケアレスラブもアスタルテ賞を優勝するなど、近親には多くの活躍馬がいます。

1984年にゼダーンは亡くなりましたが、その血統はカラムーンを通じて、日本、フランス、オセアニアなど世界各地で受け継がれています。競走馬として、そして種牡馬としての輝かしい功績を残したゼダーンは、サラブレッドの歴史に大きな足跡を残した名馬と言えるでしょう。その活躍は、多くの競馬ファンに感動と興奮を与え続け、これからも語り継がれていくことでしょう。 ゼダーンの功績は、単なる競走馬や種牡馬の枠を超え、サラブレッドの歴史に新たな1ページを刻んだ偉業と言えます。彼の遺伝子は、現代の競走馬にも受け継がれ、その血脈はこれからも競馬界を彩り続けるでしょう。

主な産駒には、以下の馬がいます。
カラムーン（プール・デッセ・デ・プーラン、ジャック・ル・マロワ賞、リュパン賞-全てフランスG1）
バーギンホース（カルバドス賞-フランスG3）
ニシャプール（プール・デッセ・デ・プーラン）
ナジャー（イスパーン賞-フランスG1、ジャック・ル・マロワ賞、リゾランジ賞-フランスG3）
スタンダーン（パレスハウスステークス-イギリスG3）
マシーム（チェリーヒントンステークス-イギリスG3）
ドン・チマローザ（スウーンズサンハンデキャップ-アメリカG3）
キョウワサンダー（エリザベス女王杯）
クラウンエクシード（ウインターステークス）
ヤマニンアピール（中山大障害・秋、京都大障害・春、京都大障害・秋、阪神障害ステークス・春）
タニノスイセイ（朝日チャレンジカップ、北九州記念）
パッシングパワー（金鯱賞）

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