ゼネラル・エレクトリック T700

T700およびCT7エンジンシリーズ

T700とCT7は、出力範囲が180から3,000馬力のターボシャフトおよびターボプロップエンジンのシリーズです。これらのエンジンは、特に軍用機や民間機に幅広く採用されており、様々な用途に対応しています。

開発の歴史

1970年代にゼネラル・エレクトリック（GE・アビエーション）がアメリカ陸軍の次世代多目的ヘリコプターのために開発を始めたのが、このエンジンシリーズの始まりでした。初版のターボシャフトエンジンは、当初の「GE12」から進化し、最終的に「T700」として量産されることになります。T700は1973年からベンチテストを重ね、1978年に生産が開始されました。

T700-GE-700は、ギアを使用せず、自由に回転するタービンを持つ構造を採用しています。そのため、5段の軸流圧縮機と1段の遠心圧縮機を持ちつつ、可変の固定ステージを装備しています。高度なデザインにより、燃焼効率の改善と有害排出物の削減が達成されています。一般的には、T700の出力は1,210 kW（約1,622馬力）とされています。

エンジンの進化

T700の技術は、多くの軍用機の開発に応用されており、UH-60 ブラックホーク、AH-64 アパッチ、さらにその派生機種に利用されています。また、イタリアのアルファロメオがライセンス生産を行っており、ヨーロッパでは同社の製造による製品が競争力を持っています。カスタマイズされたT700は、民間航空機であるアグスタウェストランド AW101やNH90に搭載されています。

CT7は、T700の民間版として位置づけられ、民間向け機体に搭載されています。例えば、ベル214STやシコルスキーS-70、S-92など、多様な機体で使用されています。ターボプロップ版のCT7は、プロペラギアボックスが追加された設計で、性能がさらに向上しています。

ターボプロップバージョン

CT7のターボプロップバージョンは、主に搭載機の航続距離や効率を向上させることを目的としています。スウェーデンのサーブ340やインドネシアのCASA CN-235、チェコのLet L-610など多くの航空機に搭載され、離陸時の出力は1,294 kW（約1,735馬力）に達します。特に、ターボプロップ型はさまざまな用途に適応するための重要な機種です。

他のモデルの展望

1980年代後半、GEはさらにパワフルなターボプロップのT407/GLC38の開発を計画しました。このモデルは、15のバーナーを持つ環状燃焼室と、最大出力4,475 kW（約6,000馬力）を実現しています。また、YT706エンジンはCT7-8Aに基づいて開発され、現行のT700-701Cよりも出力が最大30%向上しており、特にMH-60M ブラックホークの性能向上に寄与しています。

まとめ

T700およびCT7エンジンは、航空機の発展に大きな影響を与えており、軍用機と民間機の両方でその存在感を示しています。革新的な設計と性能の進化を続けるこれらのエンジンは、今後も航空業界で重要な役割を果たすことでしょう。

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