ゼンノエルシド

ゼンノエルシドの紹介

ゼンノエルシド（欧字名: Zenno El Cid）は、1997年3月26日に生まれたアイルランド生産の競走馬で、日本の調教のもとで活躍しました。彼の競走馬としての生涯は、2001年にマイルチャンピオンシップや京成杯オータムハンデキャップなどの重要なレースでの勝利によって輝かしいものとなりました。特に「マイルを愛した貴族」として知られる彼は、その名声にふさわしい走りを見せました。

経歴

ゼンノエルシドは、1999年10月10日に東京競馬場の3歳新馬戦でデビューし、見事に1着となりました。しかし、このレースは彼にとって注目の的になる瞬間でもありました。パドックにて、彼が見せた特異な行動がメディアによって取り上げられ、その結果、観客からは「男を魅せろ!ゼンノエルシド」との横断幕が掲げられるほどの話題となったのです。このエピソードにより、彼は「五本脚」との愛称で親しまれることとなりました。デビュー戦を経て、少々の休養を挟んだ後、2000年5月の夏木立賞で復帰し、再び1着を獲得しました。

その後、彼は競走の舞台を北海道函館に移し、900万下に昇級、さらには12月のクリスマスカップで3着に入るなど成績が向上しましたが、2001年夏には一時的にクラスが下がることもありました。その間、彼は丹念にレースに挑み、少しずつ勝ち星を重ねていきました。

2001年に入ると、状況は大きく変わり、彼は進化を遂げます。8月の摩周湖特別で4勝目を挙げ、再び1600万下クラスに昇級することができました。そして、9月には京成杯オータムハンデキャップに出走し、見事なレース展開で当時の1600メートルの日本レコードを記録し、優勝しました。しかし、直後のスプリンターズステークスでは期待に応えられず10着という成績でした。続くマイルチャンピオンシップでは、騎手オリビエ・ペリエと共に出走し、2着エイシンプレストンを引き離して優勝を果たします。

その後は成績に波があり続け、2002年にはすべてのレースで6着以下に沈み、11月のマイルチャンピオンシップを最後に現役を引退しました。彼のピーク期間は短かったものの、京成杯オータムハンデキャップでの走りにより「短すぎた超一流」と評価されるようになりました。

競走成績

競走成績については、JBISサーチやnetkeiba.comの情報をもとにしています。ゼンノエルシドは短期間ながらも多くのレースで良い成績を収め、特に記録的な走りが印象に残っています。

引退後の生活

競走馬としてのキャリアを終えた後、ゼンノエルシドは種牡馬として活躍を続けました。引退後は北海道静内町のアロースタッドから始まり、その後も様々な牧場で繋養されました。彼は村上牧場に移った後、功労馬として特別な存在となり、そのユニークな特技や個性的な特徴から多くのファンに愛され続けました。残念ながら、2024年9月1日に老衰のため27歳で亡くなりました。引退時の彼の血統登録頭数は208頭に達し、多くの優秀な産駒を残しています。主な産駒には、富士ステークスを制したマイネルシーガルや、ラベンダー賞のロビンフットなどがいます。

ゼンノエルシドは、巧妙な走りと独特の魅力で競馬界に名を刻んだ一頭の馬でした。

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