ゼーヴィント

ゼーヴィント（Seewind） - 日本と中国の競走馬

ゼーヴィントは、日本と中国で活動した競走馬であり、その名はドイツ語の『潮風』を意味しています。この馬は、日本の競馬界において重要な足跡を残し、特にラジオNIKKEI賞や七夕賞といった重賞レースでの勝利が記憶されています。

経歴

ゼーヴィントは、2013年5月12日に北海道安平町のノーザンファームで誕生しました。一口馬主法人「シルクホースクラブ」により5000万円で募集され、育成は東京優駿（ダービー）の勝ち馬マカヒキと同じ厩舎で行われました。しかし、調教スタッフからは、マカヒキとは対照的にゼーヴィントはやんちゃな性格で、手がかかる馬としての印象が語られています。

美浦・木村哲也厩舎に入厩後、2015年11月にデビューを果たしましたが、最初の新馬戦では7着という結果に終わります。その後、未勝利戦でも6着となるものの、上がり3Fは出走馬中最快をマーク。これをきっかけに3戦目で初勝利を収め、そのまま順調に勝ち進み、山藤賞も制して2連勝を達成しました。特にラジオNIKKEI賞では1番人気として出走し、直線で力強く伸び、初の重賞制覇を果たしました。

3歳秋にはセントライト記念に出走し、皐月賞馬ディーマジェスティに次ぐ2着となりましたが、内昇格した菊花賞には出走せず、福島記念に向かいました。ここでは1番人気に支持されながらも、逃げる馬に競り勝てず2着に終わりました。騎手のアンドレアシュ・シュタルケは「勝った馬にまんまとやられてしまった」とコメントしています。

2017年にはアメリカジョッキークラブカップで2着となった後、七夕賞に出走し、ここでも1番人気に応えて優勝し、重賞2勝目を飾ります。しかし、レース後に左前脚に腫れが見つかり、検査の結果は左前第1指骨近位端骨折との診断が下され、約半年の休養が必要とされました。

復帰後の2018年、日経賞で6着、目黒記念でも同じく6着という結果に終わり、初のG1レースである宝塚記念では14着と大敗。その後、屈腱炎の発症が確認され、一時は療養に入りますが、回復が望めないことから2018年10月に競走馬登録が抹消され、引退となりました。引退後はノーザンファーム天栄での乗馬になる予定でした。

新たな挑戦

しかし、ゼーヴィントは2019年4月に中華人民共和国に輸出され、種牡馬としての道を歩み始めました。その後、2020年には再び競走馬として復帰し、内蒙古競馬場で行われたレースに出走。性別は「公」となっていますが、牡馬であることに変わりはありません。

血統

ゼーヴィントの母であるシルキーラグーンは、オープン特別を含む7勝を挙げた馬で、ゼーヴィントの血統背景も豊かです。そのため、ゼーヴィントにも高い競走能力が備わっていると考えられています。また、祖母シーヴィーナスの従兄弟にはビワハヤヒデやナリタブライアンといった名馬が並んでおり、この血統の素晴らしさを物語っています。

ゼーヴィントは、競走馬としてのキャリアを経て、新たな地での挑戦を続けている素晴らしい馬であり、今後の活躍にも期待が寄せられています。

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