ソウニッ

ソウニッ (1276年 - 1325年)

パガン王朝の第13代国王であるソウニッ（ビルマ語: စောနစ်）は、1276年に生まれ、1299年から1312年まで在位しました。彼は前国王チョウスワーの子供であり、王位を継承した際は激動の時代にありました。ソウニッという名前は「ツオウニ」とも表記され、彼の治世は多くの課題に満ちていました。

生い立ちと即位

ソウニッは、チョウスワー王がまだ若き16歳の時に生まれました。1299年前後、彼はパガン王朝の強力な支配者であったアサンカヤー、ヤーザティンジャン、ティハトゥの三兄弟によって王として擁立されました。この時期、パガンの宮廷はシャン族の弾圧や政治的不安定に苦しんでおり、ソウニッの即位は新たな政治的展望を示唆していました。

治世の問題と取り組み

在位中、ソウニッが直面したのは過度な灌漑や乱伐行為による土地の生産力の低下でした。こうした環境の変化は食料供給の困難を引き起こし、結果として人口の流出を招くことになります。多くの農民が住処を求めて離れ、国家の基盤が揺らぐ中で、彼はどのように国を立て直すのかが問われることとなりました。

1312年には、祖母である皇太后ソウと共に、王家の伝統に従い金帯と金盆をティハトゥに贈呈することで王権の譲渡を決断します。この動きは彼の内政の変化を象徴するもので、次世代への道を開く重要な政策でした。

譲位後の活動

王位を譲った後のソウニッは、ピンヤ朝の成立に伴い地方の城主（ミョウ・ザー）としてペガン地域を統治しました。此の時期、ティハトゥによって建立されたパゴダにおいては、ソウニッ自身もその功徳を共に分け合うなど、宗教的な活動にも関与するようになります。彼の影響は王位を離れた後も続き、地域社会での重要なリーダーシップを発揮しました。

ソウニッの死と遺産

ソウニッの死後、彼の子であるオウサナー2世がミョウ・ザーの地位を引き継ぎますが、オウサナー2世の死後はアノーヤターの血統が途絶えてしまいます。これは王朝の後継者争いにおける悲劇的な出来事であり、王朝の安定性に大きな影響を与えました。

参考文献

• - G.E.ハーヴェイ『ビルマ史』(東亜研究所訳, ユーラシア叢書, 原書房, 1976年) 112-116頁
• - 大野徹『謎の仏教王国パガン』(NHKブックス, 日本放送出版協会, 2002年11月)

ソウニッはその治世を通じて、パガン王朝のさまざまな課題に取り組み、永くその名を歴史に刻むこととなりました。

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