ソウル交通公社8号線

ソウル交通公社8号線（ソウルこうつうこうしゃはちごうせん）は、韓国の首都ソウル特別市とその周辺地域を結ぶ主要な鉄道路線のひとつです。正式名称はソウル交通公社8号線ですが、韓国内では一般的に「ソウル地下鉄8号線」という名称で親しまれています。

この路線は、大韓民国京畿道南楊州市に位置する別内駅を起点とし、同じく京畿道城南市にある牡丹駅までの間を結んでいます。運営はソウル交通公社が行っていますが、かつてはソウル特別市都市鉄道公社が運営を担っていました。

シンボルカラーには桃色（●）が採用されており、視覚的な識別を容易にしています。また、広域電鉄として新たに整備された別内線と一体的に運行されることで、「首都圏電鉄8号線」を形成しており、広範囲からのアクセスを支える重要な役割を果たしています。

ソウル地下鉄の多様な路線網の中で、8号線は特徴的な位置づけにあります。環状線である2号線の内側エリアへ唯一乗り入れない路線であり、ソウル市の外縁部や隣接する京畿道地域を主に走行します。そのため、ソウル地下鉄の各路線と比較すると、営業キロ数が比較的短いという特性も持っています。

路線データ

8号線は全線にわたって線路が2本敷設された複線区間となっており、効率的な列車運行を可能にしています。電化方式は全線で直流1500V、集電方式は架線集電が採用されています。列車の保守・点検を行う車両基地は、路線の終点付近にある牡丹車両事務所に設置されています。一部の区間、具体的には福井駅と山城駅の間には、地上を走行する区間が存在します。列車の走行方向は、韓国の鉄道の一般的なルールに従い、右側通行となっています。

沿革

8号線の歴史は、1990年代初頭に始まります。

1990年12月29日: 最初の建設区間として、蚕室駅から牡丹駅までの13.1kmの着工が行われました。
1993年12月: 続いて、岩寺駅から蚕室駅までの4.6kmの建設工事に着手しました。
1996年11月23日: 着工から約6年を経て、蚕室〜牡丹間が開業し、営業運転が開始されました。
1999年7月2日: 岩寺〜蚕室間が開業し、路線が北側へ延伸されました。この時点では岩寺駅が終点でした。
2015年12月17日: 北方面へのさらなる延伸計画として、別内駅から岩寺駅に至る12.5kmの区間の建設工事が始まりました。
2021年12月18日: 既存区間内の福井駅と山城駅の間に位置する地上区間に、新たな駅として南慰礼駅が開業し、利便性が向上しました。
* 2024年8月10日: 長らく建設が進められていた別内〜岩寺間が遂に開業しました。これにより、路線の北側の終点が別内駅まで延伸され、首都圏電鉄8号線としての全線が開業を迎えました。

将来計画として、牡丹駅から板橋駅までの延伸や、別内ビョルガラム駅から別内駅までの延伸が構想されていますが、具体的な開業時期は現時点では未定とされています。

運行形態

運行されている列車の大部分は、別内駅から牡丹駅までの全線を走行する形態をとっています。

運行間隔は、平日の日中時間帯にはおよそ7分から8分に1本、1時間あたり7本から8本の列車が運行されます。通勤・通学ラッシュ時には列車が増発され、約4分から5分に1本、1時間あたり12本から13本の高頻度運転が実施されます。

最終電車の時間帯には、一部列車に行先が異なる区間運転が設定されており、可楽市場駅、蚕室駅、岩寺駅を終点とする列車が存在します。特に2024年8月10日の別内延伸以降、岩寺駅止まりの列車は大幅に削減され、現在は上下線ともに深夜に1本のみとなっています。

別内駅から牡丹駅までの全線を走行した場合の所要時間は、およそ51分です。

車両

8号線で使用されている車両は、主に8000系電車です。これらの車両は6両編成で運行されており、多数の乗客を輸送する能力を持っています。

利用状況については、近年の1日あたりの平均利用者数の推移に関するデータが示されていますが、具体的な数値はこの情報に含まれていません。

路線沿いには複数の駅が設置されており、地域住民や通勤・通学者などの移動を支えています。

もう一度検索