ソウル特別市地下鉄公社1000系電車 (初代)

1000系電車について

1000系電車は、1974年8月15日に営業運転を開始した韓国・ソウルの通勤型電車です。この電車は、ソウルメトロ1号線を中心に、京釜線、京仁線、京元線との相互乗り入れにも対応しています。設計および機能面では、同じく韓国の鉄道庁が運営する1000系電車と共通の部分が多いことが特徴です。

概要とデザイン

この電車は抵抗車と呼ばれる制御方式を採用した初の電車で、外観は日本の帝都高速度交通営団の5000系と国鉄の301系を融合したもので、鋼製の車体を持っています。車両の構成は6M4Tストラクチャーで、交流および直流の両方に対応した交直流電車です。外装はクリーム色の車体に赤色の帯が特徴で、差別化された色使いが魅力的です。

主な仕様

1000系電車は、戸袋窓や妻窓のない設計で、ドア部分の窓も製造年によって異なります。1974年から1989年までの車両は小さな窓で高位置に設置されていたのに対し、1999年および2004年製造の車両では大きな標準位置の窓が採用されています。側窓は1974年から1989年製造車両は2段昇降式で、後の製造車両では設計が変更されています。また、荷棚はアルミ製のフレームで構成され、内装は当初は暖色系の色合いでしたが、不燃化改造後には変更されています。

沿革

1000系電車は、1974年8月15日に開業とともに運行を開始しました。その後、1977年から1978年には韓国国内での生産による増備が行われ、1989年に冷房装置の装備が追加されました。これにより、全編成が10両編成となり、冷房対応になりました。

1999年以降は新たにVVVFインバータ制御の新1000系が投入され、古い車両は順次廃車となりました。しかし1989年製の車両は改造されつつ引き続き運行に使われ、他の車両と組み合わせて運用されることもありました。

2002年には車両事故が発生し、いくつかの車両が廃車となりましたが、後に新たな車両として再利用されました。現在、1000系電車は約68両が残存しており、そのほとんどが1989年以降に製造されたものです。

不燃化改造と延命工事

2003年の大邱地下鉄放火事件を受けて、2005年までに内装材が改造され防火基準を満たすように改造されました。さらに、2014年以降には車両の耐用年数が法的に延長され、様々な工事を経て2029年までの運行が見込まれています。また、保存車両として韓国初の地下鉄車両が静態保存されており、これらは博物館展示用に保管されています。

まとめ

1000系電車は、ソウルの通勤交通の重要な一翼を担う存在として、様々な改良や改造を経て現在も活躍しています。時代とともに姿を変えながらも、地域に密着した公共交通機関として支持を受け続けており、歴史に名を刻む車両となっています。今後も、1000系電車の運行が続くことは、多くの市民にとって重要な基盤となるでしょう。

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