京仁線

京仁線の概要と歴史

京仁線（キョンインせん）は、韓国の首都ソウル特別市九老区に位置する九老駅と仁川広域市中区にある仁川駅を結ぶ鉄道路線です。この鉄道は、韓国鉄道公社（KORAIL）が運営しており、全長27.0kmの電化された路線です。京仁線は京釜線、ソウル交通公社1号線、京元線との直通運転も行っており、首都圏電鉄1号線の一部としても機能しています。

鉄道の構造と運行

京仁線は複々線化された区間が特徴で、九老から東仁川までの部分は緩行線と急行線が分かれて走行します。このため、効率的な運行が可能で、急行列車は特に東仁川駅とソウル市内の龍山駅を結ぶ役割を果たしています。列車は基本的に4ドア・ロングシートの通勤型車両が使用され、KORAILの車両とソウル交通公社の車両が相互に利用されています。

多くの路線図では「京仁線」という名称はほとんど使用されず、「1号線」として表示されることが一般的で、ラインカラーは紺色です。なお、観光目的の臨時列車が不定期で運行されることもありますが、通常の旅客列車はKORAILの定期運行によって賄われています。

京仁線の歴史

京仁線は朝鮮半島で最初の鉄道という歴史を持ち、当初は日本政府からの融資により建設される計画がありましたが、国際情勢の変化により民営鉄道として建設することとなりました。1897年、アメリカ人の実業家モールスがこのプロジェクトを引き継ぎ、鉄道の敷設権を渋沢栄一に譲渡しました。1899年に仁川と鷺梁津を結ぶ区間が部分開業し、1900年には全線が開通しました。この時、韓国で初めての蒸気機関車が運行され、朝鮮半島の鉄道の重要な一歩となりました。

その後、日露戦争を経て京仁鉄道は国有化され、他の鉄道と一緒に管理されることになりました。京仁線が京釜線の支線となった後も、京城と仁川を結ぶ重要な役割を果たしました。国産機関車の導入や、軽量客車の開発もこの路線から始まり、その技術は朝鮮全域に広がりました。

近代化と電化

戦後、朝鮮戦争を経て韓国の鉄道は南側のみに限定され、1946年には全ての鉄道が国有化され、韓国鉄道庁が設立されました。しかし、1960年代には著しい人口増加とともに鉄道運行にも変革が求められるようになり、1990年代には混雑問題が顕在化しました。これを受けて、鉄道庁は増線工事に乗り出し、1999年から複々線化が進められ、急行電車の運行も開始されました。

1974年に首都圏電鉄1号線が開業し、京仁線も電化され、その後の運行は日本製の電車によって支えられました。この電車は冷房装置がついておらず、後に改良が行われて快適な輸送が実現されました。また、その利用者の増加に応じて、編成も増強されるなど、時代の要求に応える形で進化してきました。

まとめ

京仁線は、その歴史的背景から現在に至るまで、ソウルと仁川を結ぶ重要な交通路としての役割を果たし続けています。今後の発展も期待され、さらに便利で快適な交通機関となることでしょう。

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