ソオブラジーテリヌイ (駆逐艦)

ソ連駆逐艦「ソオブラジーテリヌイ」の生涯

「ソオブラジーテリヌイ」（Сообразительный）は、ソ連海軍が第二次世界大戦中に運用した駆逐艦です。艦名はロシア語で「機転の利く」「呑み込みの早い」といった意味を持ちます。本艦は、その名の通り、数々の戦いで重要な役割を果たしました。

建造と配備

1936年10月15日、ソオブラジーテリヌイは、ニコラーエフの第200工場で7号計画型駆逐艦の1隻として起工されました。当初は「プロゾルリーヴイ」（Прозорливый、洞察力のある）という名称でしたが、7号計画型の欠陥により、改良型の7U号計画型として再設計されることになりました。1939年3月3日に改めて起工され、1939年8月26日に進水、1941年5月10日に竣工しました。その間の1940年9月25日には、艦名が「ソオブラジーテリヌイ」へと改められました。

竣工後、ソオブラジーテリヌイは1941年6月7日に黒海艦隊に配備され、最新鋭の駆逐艦として第3駆逐艦隊に所属しました。黒海艦隊においては、2隻目の7U型駆逐艦となりました。

大祖国戦争での活躍

第二次世界大戦（独ソ戦、大祖国戦争）が勃発すると、ソオブラジーテリヌイはオデッサ防衛戦、セヴァストーポリ防衛戦、フェオドシヤ、ノヴォロシースクなどの戦いに参加し、市民や部隊の疎開作戦で英雄的な働きをしました。特に僚艦である「スポソーブヌイ」、嚮導艦「タシュケント」とともに重要な役割を担いました。

1941年から1942年の冬に受けた損傷を修理後、ソオブラジーテリヌイは1943年1月16日と25日に敢行されたスダークへの上陸作戦、同年2月4日のユージュナヤ・オゼレーイカへの上陸作戦にも参加しました。これらの活躍が評価され、1943年3月1日には「親衛艦」の称号を授与されました。

戦後の変遷

終戦後の1945年12月19日から1947年8月25日の間、ソオブラジーテリヌイは近代化改修と修理を受けました。

1951年には、32号計画に基づき救難浄化艦へと改修され、1956年3月26日には艦名が「SDK-11」へと変更されました。さらに1957年2月12日には救難船へと類別が変更され、名称も「SS-16」となりました。1958年まで救難船として運用されました。

1960年3月27日には予備役となり、1963年9月14日には標的艦へと類別変更され、名称も「TsL-3」となりました。親衛艦としての功績を記念し、博物館として保存する計画が提案されたこともありましたが、海軍司令部は1966年から1968年にかけて解体することを決定しました。最終的に、TsL-3は1966年3月19日に海軍を除籍され、クリミア半島のインケルマーンで解体されました。

その他の「ソオブラジーテリヌイ」

ソ連海軍には、本艦以外にも「ソオブラジーテリヌイ」と命名された艦が存在します。

ミサイル巡洋艦ソオブラジーテリヌイ（58号計画型）
大型対潜艦ソオブラジーテリヌイ（61号計画型）
* 警備艦ソオブラジーテリヌイ（20380号計画型）

これらの艦艇は、それぞれ異なる時代、異なる役割を担っていましたが、その名が示すように「機転の利く」活躍が期待されていました。

まとめ

駆逐艦「ソオブラジーテリヌイ」は、その短い生涯の中で数々の戦いを経験し、その都度重要な役割を果たしました。その活躍は、ソ連海軍の歴史において特筆すべきであり、その名は後世に語り継がれるでしょう。

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