ソユーズ2

ソユーズ2：ロシアの最新鋭ロケット

ソユーズ2（Soyuz-2）は、ロシアが開発したソユーズロケットシリーズの最新バージョンです。旧ソ連時代から運用されてきたソユーズロケットの近代化を目的として開発され、2004年に初めて打ち上げられました。このロケットは、その信頼性と多様性から、現在も幅広いミッションに利用されています。

設計と特徴

ソユーズ2は、基本的には3段式のロケットで、低軌道へのペイロード投入を主な目的としています。外観は従来のソユーズロケットと似ていますが、内部構造やエンジンは大幅にアップグレードされています。

• - エンジン: 第1段ブースターと第2段コアステージのエンジンが強化され、より強力な推進力を実現しています。
• - デジタル制御: 従来のアナログ[[コンピュータ]]に代わり、デジタルコンピュータを搭載。これにより、飛行制御とテレメトリーシステムが大幅に向上し、発射台の回転が不要になりました。また、ロシア国内で製造された国産品に切り替えられました。
• - 上段ロケット: モルニア軌道や静止軌道のような高い軌道へのペイロード投入のために、上段ロケットを搭載可能です。最も一般的に使用されるのは、NPOラーヴォチュキン製のフレガートです。これにより、様々なミッションに対応できるようになりました。

運用

ソユーズ2は、バイコヌール宇宙基地、プレセツク宇宙基地、そしてボストチヌイ宇宙基地から打ち上げられています。商業打ち上げはスターセム社が担当し、当初はバイコヌールから行われていましたが、現在はフランス領ギアナのギアナ宇宙センターに場所を移しています。ギアナからの打ち上げでは、静止トランスファ軌道に2.8〜3.5トンの衛星を投入可能です。

2017年にソユーズU、2019年にはソユーズFGの打ち上げが終了し、ソユーズ2が唯一現役のソユーズロケットとなりました。しかし、将来的には、新設計のソユーズ5に置き換えられる予定です。

派生機種

ソユーズ2には、いくつかの派生機種が存在します。

• - ソユーズ2.1a: ソユーズUの改良型で、デジタル飛行制御システムを搭載し、ブースターと第1段エンジンのインジェクターが強化されました。これにより、飛行中の姿勢制御が可能になり、大型フェアリングの使用が可能になりました。
• - ソユーズ2.1b: 2.1a型をさらに改良したモデルで、第2段エンジンがRD-0124に変更され、性能が向上しました。
• - ソユーズ2.1v: 軽量版で、第1段エンジンに強力なNK-33-1を使用。低軌道に最大2.6トンのペイロードを打ち上げることができます。

ギアナ宇宙センターからの打ち上げでは、ソユーズ2は常に大型のST型フェアリングを使用します。この形式はソユーズ-STまたはソユーズ-STKと呼ばれ、高温多湿な環境での運用に対応する仕様です。

打ち上げ記録

ソユーズ2の最初の打ち上げは、2004年11月8日にプレセツク宇宙基地から行われました。これは弾道飛行試験であり、ロケットとダミーペイロードは太平洋に落下しました。

商業打ち上げでは、2006年7月17日にMetOp-A衛星の打ち上げが予定されていましたが、打ち上げ直前にコンピュータがエラーを検知し、打ち上げが延期されました。その後、同年10月19日に打ち上げが成功しました。

まとめ

ソユーズ2は、長年にわたり宇宙開発を支えてきたソユーズロケットの最新版として、その信頼性と性能を向上させています。デジタル制御の導入やエンジンの強化により、様々なミッションに対応できるようになり、今後も宇宙開発における重要な役割を担うことでしょう。

関連項目

• - ソユーズ計画
• - ソユーズロケット
• - スターセム

外部リンク

• - Encyclopedia Astronautica article on Soyuz 2.1 (英語)
• - European Space Agency about Soyuz-ST (Russian name Soyuz-STK) (英語)
• - Soyuz User's Manual (PDF), from Starsem (英語)
• - Soyuz-2 launch vehicle, Russian Federal Space Agency (ロシア語)
• - Soyuz-2 (TsSKB Progress)(英語)
• - Soyuz-ST (TsSKB Progress)(英語)

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