ソルトレイク郡 (ユタ州)

ソルトレイク郡

ソルトレイク郡（Salt Lake County）は、アメリカ合衆国ユタ州の中北部に位置しています。この地域は、人口約118万人（2020年）を有し、州内で最も人口が多い郡です。郡庁所在地は州都のソルトレイクシティであり、1852年に設立されました。その名は、グレートソルト湖に由来しています。郡はソルトレイク・バレーにあり、西側はオウカー山脈、東側はワサッチ山脈に囲まれています。また、郡の北西部にはグレートソルト湖の一部が位置しています。

地理

アメリカ合衆国国勢調査局のデータによると、ソルトレイク郡の面積は808平方マイル（2,090平方キロメートル）で、そのうち陸地は737平方マイル（1,910平方キロメートル）、水域は70平方マイル（180平方キロメートル）となっています。水域は全体の約8.72％を占めています。この郡内で最も目立つ地理的特徴は、東に位置するワサッチ山脈であり、中でも降雪が多く、ウィンタースポーツの名所として知られています。毎年降る雪は「地球上で最も素晴らしい雪」と称されています。スキーリゾートとしては、リトルコットンウッド・キャニオンにあるスノーバードやアルタ、ビッグコットン・キャニオンのソリチュードやブライトンなどのスキー場があります。

訪問者は夏の間にハイキングやキャンプを楽しむことができ、冬にはスキーやスノーボードで過ごすことが可能です。バレーへのアクセスは主に北東からのパーリーズ・キャニオンやエミグレーション・キャニオンを経由する形で行われます。急速に発展する住宅地が山の中腹でも見られますが、一方で急な斜面にも新しい街が建設されています。

隣接する郡

• - トゥーイル郡（西）
• - ユタ郡（南）
• - ワサッチ郡（南東）
• - サミット郡（東）
• - モーガン郡（北東）
• - デービス郡（北）

気候

ソルトレイク・バレーは年間平均15インチ（380ミリメートル）の降水量を記録しており、特に春の降水量が多くなります。地形の影響により、東部で降る雨は西部よりも多く、降水は主に太平洋からの暴風雨によるものです。冬季には平均55インチ（140センチメートル）以上の降雪があり、標高の高い地域では100インチ（250センチメートル）を超えることもあります。グレートソルト湖効果により、局地的な降水量が増加し、乾燥した雪はスキーに理想的とされています。

歴史

ソルトレイク郡の歴史は、1847年に末日聖徒イエス・キリスト教会のモルモン開拓者がソルトレイク・バレーに到達したことから始まります。ブリガム・ヤングの指導の下、彼らは乾燥した地を灌漑技術を駆使して耕し、自給自足のコミュニティを築き上げました。郡は1850年に正式に設立され、その後数十年の間に多くの移民が訪れました。

20世紀に入り、鉄道の整備や重工業の発展が進むことで、ソルトレイク郡の人口は急激に増加しました。特に、2002年の冬季オリンピックの開催は地域経済に多大な影響を与え、観光業の発展にも寄与しました。新しい郡のインフラストラクチャーは、依然として成長を続けるソルトレイク郡において重要な役割を果たしています。

経済

ソルトレイク郡の経済は、初期の鉱業と共に、観光業、ウィンタースポーツ、商業、サービス業の発展を経て多様化しました。また、防衛産業も地域経済の重要な柱となっており、特に第二次世界大戦以降には大きな成長を遂げています。

教育

この地域には複数の教育学区が存在し、それぞれに独自の教育システムがあります。公立高校やカトリック系学校など、教育の選択肢は多岐にわたります。

交通

ソルトレイク郡内には主要な州間高速道路や公共交通機関が整備されていて、利便性の高い移動が可能です。近年ではライトレールのTRAXが導入され、地域の交通事情は向上しています。

ソルトレイク郡は自然の美しさと豊かな歴史、発展する都市生活が共存する地域であり、観光や居住地として魅力的な場所です。

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