ソロモンとシバの女王

『ソロモンとシバの女王』は、1959年に公開されたアメリカ映画であり、キング・ヴィダーが監督を務めました。この映画は、「旧約聖書」の「列王記」と「歴代誌」に記されている、ソロモン王とシバの女王の物語を映画化したものです。

制作当初、ソロモン王役にはタイロン・パワーが予定されていましたが、撮影中に急逝したため、ユル・ブリンナーが代役を務めることになりました。パワーの出演シーンはすべて撮り直され、ブリンナーによって新たなソロモン像が描かれています。

物語は紀元前10世紀のイスラエルを舞台に展開します。病に倒れたダビデ王は、二人の息子、アドニヤとソロモンのどちらに王位を継がせるか悩んでいました。その頃、二人はエジプト軍との戦いの最中にあり、勝利を収めます。しかし、父王の危篤の知らせを受け、ソロモンは急ぎ帰国する一方で、アドニヤはエジプト軍に加担していたシバの女王を追い、服従を迫りますが、拒絶されます。

神託により、ダビデはソロモンを後継者に指名し、兄弟で争うことのないよう遺言を残して亡くなります。ソロモンの治世となり、イスラエルは繁栄を遂げますが、その繁栄を妬んだエジプト王は再び戦いを仕掛けようとします。シバの女王は、ソロモンの信仰を揺るがし民衆を離反させる策を提案し、自らその役目を担いソロモンに近づきます。ソロモンは女王の美しさに魅了され、女王もまたソロモンに恋心を抱くようになり、やがて二人は結婚を望むようになります。しかし、それぞれの立場や思惑が複雑に絡み合い、物語は予期せぬ展開を迎えます。

この映画では、ユル・ブリンナーがソロモン王を、ジーナ・ロロブリジーダがシバの女王を演じており、二人の演技は高く評価されています。また、ジョージ・サンダースがアドニヤ役、マリサ・パヴァンがアビシャグ役を演じています。日本語吹替版では、小林修がユル・ブリンナー、武藤礼子がジーナ・ロロブリジーダの声を担当しました。

『ソロモンとシバの女王』は、古代を舞台にした壮大な歴史劇であり、愛と欲望、そして権力争いを描いた見応えのある作品です。豪華なキャストと、古代世界の壮大なセットや衣装も見どころの一つです。ソロモンとシバの女王の複雑な関係は、観る者の心を捉え、歴史的背景とともに、深い人間ドラマが展開されます。この映画は、公開当時から多くの観客を魅了し、現在でも歴史映画の傑作として語り継がれています。

外部リンク
ソロモンとシバの女王 - allcinema
ソロモンとシバの女王 - KINENOTE
Solomon and Sheba - オールムービー（英語）
Solomon and Sheba - IMDb（英語）

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