ソンティ・ブンヤラットカリン

ソンティ・ブンヤラットカリンは、1946年10月2日生まれのタイの軍人であり、陸軍大将です。彼は2006年のタイ軍事クーデターの指導者として知られています。また、彼はシャイフ・アフマド・クーミーの子孫と言われており、シーア派のムスリムです。

軍人としての経歴

ソンティは1969年にチュラチョームクラオ陸軍士官学校を卒業後、陸軍歩兵部隊に配属されました。その後、第一特殊作戦師団長などを歴任し、順調に昇進を重ねました。2005年10月には陸軍総司令官に任命され、タイにおいて仏教徒が多数を占める中で、イスラム教徒が陸軍総司令官に就任したのは彼が初めてでした。

クーデターの指導者

2005年初めからタイでは、当時のタクシン・シナワット首相の支持派と反対派の間で政治的な対立が激化していました。1991年に軍と市民の衝突で多数の死傷者が出たことから、軍内部では政治への介入に反対する意見が強まっており、ソンティ自身も就任当初は軍が政治に関わることはないと明言していました。しかし、タクシン首相が軍幹部に自分の同級生を昇進させようとした人事には強く反対し、2006年に予定されていた定期人事異動は中止されました。

2006年9月19日、バンコクで軍事クーデターが発生しました。当時陸軍司令官であったソンティは、このクーデターで権力を掌握した「民主改革評議会」（後に国家治安評議会に改称）の議長に就任しました。クーデター後、ソンティは各国の外交官との会見で、2週間以内に文民から首相を指名し権力を委譲すること、同じく2週間以内に暫定憲法を制定すること、そして文民政権により1年以内に新憲法を制定し、総選挙を実施する計画を発表しました。しかし、実際には元軍人のスラユット・チュラーノンが首相に任命されました。（新憲法制定と総選挙の計画は、スラユット政権下で実現されています。）ソンティは2007年9月30日に軍を退官し、国家治安評議会議長も辞任しましたが、スラユット政権で治安担当の副首相に就任しました。

政界入り

その後、ソンティは政界進出を目指して大学で修士課程を学び、2009年には母国党の党首に就任し、正式に政界入りを表明しました。

参照

タイにおける政変一覧
ROYAL THAI ARMY :::กองทัพบก:::　タイ王国陸軍公式サイト

ソンティ・ブンヤラットカリンは、タイの軍事と政治において重要な役割を果たした人物であり、その行動はタイの歴史に大きな影響を与えました。

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