ソン・ヨルム

ソン・ヨルム

韓国・原州市に1986年5月2日生まれの女性ピアニスト。ラテン文字表記では Yeol Eum Son と記される。

経歴

鍵盤楽器との出会いは3歳と幼く、早くからその非凡な才能の片鱗を見せていた。1998年にはプロとして活動を開始し、その後は著名な指導者であるキム・テジン氏のもとで研鑽を積む。学業においては、韓国芸術総合学校を卒業後、さらにドイツに渡りハノーファー音楽演劇大学でも専門的な学びを深めた。

キャリアの初期から、国内外の権威あるコンクールで目覚ましい成績を収めている。

主な受賞歴

1997年 - 第3回若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクールピアノ部門において、最年少参加ながら第2位を獲得。
1999年 - 第3回オーバリン国際ピアノコンクールで最年少優勝。
2001年 - 第7回エットリンゲン国際ピアノコンクールで最年少優勝。
2002年 - 第53回ヴィオッティ国際音楽コンクールピアノ部門でも最年少優勝を飾る。
2004年 - 第1回クムホ・ミュージシャン・アワードにて第1位に輝く。
2005年 - 第11回ルービンシュタイン国際ピアノコンクールで第3位に入賞。
2005年 - 浜松国際ピアノアカデミーコンクールにて第1位を獲得。
2005年 - 世界的な登竜門として知られる第15回ショパン国際ピアノコンクールでファイナリストに選出される。
2009年 - アメリカで開催される難関、第13回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールにて第2位（銀賞）を受賞。
2011年 - ロシアの権威ある第14回チャイコフスキー国際コンクールピアノ部門でも再び第2位を獲得。

これらの受賞歴は、彼女が幼少期から一貫して世界のトップレベルで活躍してきた証であり、その実力を国際的に証明している。

録音・共演活動

18歳という若さで、フレデリック・ショパンの練習曲集Op. 10およびOp. 25の全曲録音を敢行。このアルバムはUniversal Musicよりリリースされ、その卓越した技術と音楽性が高く評価された。その後も精力的に録音活動を行っており、Deccaや、近年ではイギリスのOnyx Classicsといった名門レーベルから継続的にアルバムを発表し、その演奏を広く世界に届けている。特に2005年のショパン国際コンクール出場者の中では、イム・ドンヒョクに次いでメジャーレーベルからデビューを果たした数少ないピアニストの一人として知られている。

オーケストラとの共演も活発に行っており、これまでにソウル市立交響楽団、ニューヨーク・フィルハーモニック、NHK交響楽団、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団など、世界有数のオーケストラとソリストとして共演。国際的な舞台でその存在感を確立している。

ソン・ヨルムは、輝かしいコンクール歴に裏打ちされた確かな技術と、幅広いレパートリー、そして情感豊かな音楽性をもって、現代のクラシック音楽界を牽引するピアニストの一人として、世界中の聴衆を魅了し続けている。

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