ソールズベリー侯

ソールズベリー侯爵家の歴史

ソールズベリー侯爵（Marquess of Salisbury）は、グレートブリテンの貴族位であり、その起源は1789年に遡ります。この侯爵位は、ロンドンの名族であるセシル家に由来し、第7代ソールズベリー伯爵であるジェイムズ・セシルが初代侯に叙せられました。しかし、ソールズベリー侯として特に名高いのは、3代侯のロバート・ガスコイン＝セシルです。彼は19世紀末から20世紀初頭にかけて、イギリスの首相を三度務めました。

初代侯爵とその影響

ソールズベリー侯爵家のルーツは、イングランド女王エリザベス1世の宰相である初代バーリー男爵ウィリアム・セシルにあります。彼には二人の息子がおり、次男ロバートが父の政治的地位を引き継ぎました。ロバートはエリザベス朝からステュアート朝初期にかけて宰相として活動し、1603年にはエッセンドンのセシル男爵に、1604年にはクランボーン子爵、さらに1605年にはソールズベリー伯爵に叙されました。この時、兄トマスもエクセター伯爵に叙せられています。初代伯ロバートは、ハーツフォードシャーのハットフィールド・ハウスを手に入れ、この家がソールズベリー家の本拠地として現在も利用されています。

侯爵家の発展

その後、初代伯の息子である2代伯ウィリアム・セシルは、清教徒革命後の共和政で国務会議のメンバーとなり、重要な役職を担いました。また、1789年には7代伯ジェイムズ・セシルがソールズベリー侯爵として叙せられ、この家族は新たな政治的地位を確立しました。初代侯はトーリー党の政治家としても活躍し、1816年から1823年には郵政長官を務めました。

2代侯のジェイムズは、トーリー党や保守党で重要な役職に就き、日本とイギリスの同盟を結ぶなど外交的にも影響力を持っていました。

3代侯ロバート・ガスコイン＝セシル

そして3代目のロバート・ガスコイン＝セシルは、特に著名な政治家であり、1895年から1902年にかけてイギリスの首相を三度務めたことで知られています。彼は保守主義者でありながら、選挙法の改正に反対し続け、ボーア戦争を含む帝国主義的外交を推進しました。さらに、日英同盟を締結した首相として名を馳せています。この時期、ソールズベリー侯爵家はイギリス政界において中心的な存在となりました。

4代侯の息子や、5代侯までの各代もまた保守党の重鎮として職務を全うし、特に5代侯は「ソールズベリー慣行」を確立し、貴族院の権限においても影響を持つようになりました。

現当主と家系の現在

2019年現在、7代ソールズベリー侯はロバート・ガスコイン＝セシルであり、彼もまた保守党の政治家として活動しています。彼はメージャー内閣にて重要な閣僚職を担ってきました。伝統的にこの侯爵家はイギリス政治において重要な役割を果たしており、その影響は現在も続いています。

結論

ソールズベリー侯爵家は、イギリスの歴史において重要な貴族の一つであり、特にロバート・ガスコイン＝セシルのような卓越した政治家を輩出しています。その家庭の根源を辿ることで、イギリスの政治史とも深く関わり合っていることがわかります。

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