タイガーバーム

タイガーバームとは

タイガーバームは、シンガポールのハウ・パー・コーポレーションが製造・販売する軟膏のブランドです。日本では外用鎮痛消炎薬として第三類医薬品に分類されており、シミックCMO株式会社が製造販売元、イワキ株式会社が販売総代理店を務めています。

歴史

タイガーバームの起源は1870年代に遡ります。清の薬草商人であった胡子欽が、ミャンマー（旧ビルマ）のラングーンで開発しました。胡子欽の死後、その製法は息子である胡文虎と胡文豹に伝えられました。

タイガーバームという名前は、胡文虎の名前が「上品な虎」を意味することに由来しています。この薬剤は、その名前と優れた販売戦略により、東アジアや東南アジアを中心に広く知られるようになりました。

1930年代には、タイガーバームの販売促進のため、シンガポール、香港、中国（福建省）にタイガーバームガーデンが作られました。現在、香港の庭園は閉鎖されていますが、シンガポール（現在はハウパーヴィラ）と中国の庭園は営業を続けています。

日本での展開

日本では、かつて株式会社龍角散が輸入・販売代理店として、日本人の皮膚感覚に合わせたアレンジを加えて販売していました。「痛くなったら虎を呼べ」というキャッチフレーズが有名でした。

その後、2015年に製造販売承認がシミックCMO株式会社に承継され、一時的に販売が休止されました。しかし、ハウ・パー・コーポレーションが販売再開の準備を進め、イワキ株式会社が販売総代理店となることで、2019年夏に約4年ぶりに販売が再開されました。

成分と組成

タイガーバームの主成分は、メントールとカンファーです。これらの成分は、清涼感と温熱感をもたらし、鎮痛効果を発揮します。添加物としては、ワセリンとパラフィンがベースとして使用されています。

オリジナルには、カンファーが25%含まれており、ホワイトタイガーバームは冷却効果が高く、主に頭痛薬として利用され、レッドタイガーバームは温熱効果が高く、筋肉痛などに利用されます。また、「ホワイトタイガーバームHR」という新製品には、カヤプテ油の代わりにユーカリ油が使用されています。

使用法と効果

タイガーバームは、筋肉痛、捻挫、鼻詰まり、蚊に刺され、虫のかぶれなど、様々な症状の緩和に利用されています。愛用者からは、軽い病気やけがを和らげる効果があるとされています。

大衆文化への影響

タイガーバームは、様々な大衆文化にも登場しています。

イギリスの小説家ジョン・ガードナーの小説『独立戦争ゲーム』では、悪役の部下の1人が「タイガーバーム」と名乗っています。
映画『1900年』では、ジェラール・ドパルデューがロバート・デ・ニーロに、勃起の問題を解決するためにタイガーバームと水を使った方法を教えるシーンがあります。
テレビドラマ『ホワイトチャペル』では、主人公が頭痛を和らげるためにホワイトタイガーバームを使用するシーンがあります。
スティーグ・ラーソンの小説『ドラゴン・タトゥーの女』にも、タイガーバームが言及されています。

関連情報

タイガーバームガーデン: タイガーバームの販売促進のために作られた庭園。
メンソレータム: 同じく外用鎮痛消炎薬として知られるブランド。

外部リンク

ハウ・パー・コーポレーション
タイガーバーム（アメリカ合衆国のサイト）
* タイガーバーム（カナダのサイト）

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