タイムパラドックス (競走馬)

タイムパラドックス

タイムパラドックスは、日本の競走馬・種牡馬として知られ、特にダート競走において数多くの成果を収めた名馬です。馬名は父の名前にちなみ、時間の矛盾から連想されるものであり、そのキャリアも波乱に富んでいます。

戦績

タイムパラドックスは出生時、わずか45キログラムという小さな体重で生まれました。デビューは2001年3月で、初めてのレースから2連勝を飾りましたが、その後迎えた青葉賞では11着に終わってしまいます。この敗北がきっかけで骨折が発覚し、しばらく休養を余儀なくされました。デビューした当初は体質が弱く、安定したレース出走が難しい時期もありましたが、その後のレースで着実に勝利を重ねていきました。

2003年2月にはオープンクラスに昇格し、秋の復帰後は体調も安定し、引退まで休養を取ることなくレースに出続けました。2004年1月の平安ステークスでの優勝は重賞初制覇となり、その後もアンタレスステークスや白山大賞典などで勝利を収めました。特に、同年の11月にはGI競走であるジャパンカップダートにおいて、厩舎メイトのアドマイヤドンを制してGI初勝利を手にしました。

2005年になると、タイムパラドックスは一層その名を知られる存在となり、川崎記念や帝王賞、JBCクラシックといった重要なレースでの勝利を重ね、当時の日本ダート界のトップホースとして名を馳せました。しかし2006年からは脚部に慢性的な問題を抱え、体調の不安を抱えながらの出走が続きました。それでも、JBCクラシックでは先頭に立ち、連覇を達成し、GI通算5勝目を挙げることができました。この時、彼の通算勝利数は16に達し、グレード制導入以降、中央競馬における最多勝利記録に並びました。

調整を進めながらジャパンカップダートへ向けて備えていた矢先、調教後に左前第4中手骨の骨折が判明。その影響で、計画していたレース出走が叶わず、引退を決断することになりました。

引退後の活躍

競走生活を終えたタイムパラドックスは、北海道新冠町のビッグレッドファームで種牡馬としての人生をスタートさせました。初年度には100頭に種付けを行い、2010年にはその初年度産駒がデビューしました。2019年1月に種牡馬を引退し、うらかわ優駿ビレッジAERUに移動。長い余生を送る中で、体調に問題が生じ、2022年には疝痛が原因で急逝しました。

主な産駒

タイムパラドックスは、数多くの勝ち馬を輩出しました。主な産駒には、ダートグレード競走を勝ったソルテやトウケイタイガー、さらに地方重賞での成績を収めたセルサスやタイムズアローなどがいます。

種牡馬としての評価

父親であるブライアンズタイムの特徴を受け継ぎ、ダート馬としての適性が高く期待されました。母系にはサクラローレルやスティーマーダックといった実績ある血統も含まれており、産駒は早い時期から活躍する馬も多く見受けられます。タイムパラドックス自体とは異なる血筋からも、短距離での活躍馬を多く輩出しています。

タイムパラドックスの記録

彼は6歳以降に獲得した賞金額が977,865,000円のうち、844,871,000円を6歳以降に稼ぐという日本記録を保持しています。また、彼の世代であるジャングルポケットやクロフネの中でも、総獲得賞金額が最も高いことが証明されています。

結論

タイムパラドックスは、競走馬としてだけでなく種牡馬としても大きな成功を収め、その名は競馬界に永遠に刻まれています。

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