タイラー・フラワーズ

コール・タイラー・フラワーズ：強打の捕手、その軌跡

コール・タイラー・フラワーズ（Cole Tyler Flowers）は、1986年1月24日生まれ、アメリカ合衆国ジョージア州出身の元プロ野球選手です。右投右打の捕手として、MLBのシカゴ・ホワイトソックスとアトランタ・ブレーブスで活躍しました。愛称は「フロー（Flow）」。

プロ入りと下積み時代

2005年のMLBドラフトで、アトランタ・ブレーブスから33巡目という下位指名を受けプロ入り。しかし、2006年に禁止薬物使用で50試合の出場停止処分を受けるという苦いスタートとなりました。その後は、マイナーリーグで一塁手や指名打者としての出場機会を得ながら、着実に力をつけていきました。

2008年にはA+級マートルビーチ・ペリカンズで捕手としての出場を増やし、メジャー昇格に向けてアピールを続けました。

ホワイトソックス時代：正捕手への道

2008年12月、トレードでシカゴ・ホワイトソックスへ移籍。2009年9月にはメジャー初昇格を果たし、9月3日のシカゴ・カブス戦でMLBデビュー。9月19日のカンザスシティ・ロイヤルズ戦でメジャー初安打を記録しました。

当初は第三の捕手という立場でしたが、2013年には正捕手の座を掴みます。同年には自身初の二桁本塁打を記録するものの、打率は2割を下回るなど、打撃面での課題も残しました。

2014年は、正捕手として127試合に出場。打率.241、15本塁打という成績を残しましたが、159三振を喫するなど、粗さも目立ちました。2015年も正捕手格として起用されましたが、同年オフにノンテンダーFAとなります。

ブレーブス時代：故郷への凱旋、そして引退

2015年12月、2年総額530万ドルで古巣アトランタ・ブレーブスと契約。2016年には、打率.270、8本塁打、41打点と、キャリアハイの成績を記録しました。

2017年以降は、度重なる死球による怪我に苦しみましたが、2018年には2019年シーズンの契約延長に合意するなど、チームからの信頼は厚かったことが伺えます。

2019年はMLBの捕手の中で最多となる16捕逸を記録。2020年オフにFAとなると、2021年5月にブレーブスとマイナー契約を結びますが、その直後に現役引退を表明しました。

人柄

マイナー時代には、エルネスト・メヒア（埼玉西武ライオンズ）とチームメイトでした。お互いの母国語である英語とスペイン語を教え合う仲で、スペイン語の会話力をメジャー昇格後にも生かし、ラテン系の選手から頼られる存在となりました。

プレースタイル

強肩強打が持ち味の捕手でした。打撃では、長打力がありましたが、三振も多く、確実性に課題を残しました。守備では、盗塁阻止率の高さが評価される一方で、捕逸の多さも指摘されました。

コール・タイラー・フラワーズは、決してエリート街道を歩んだ選手ではありませんでしたが、努力と持ち前の明るさで、多くのファンに愛された選手でした。引退後は、その経験を活かし、後進の育成に尽力していくことが期待されます。

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