捕逸

捕逸（ほいつ）について

捕逸は、野球のプレーにおいて重要な要素の一つであり、バッテリーに関する記録の一形態です。これは、投手が投げたボールが捕手が捕球できる位置にあったにもかかわらず、その捕球に失敗したために走者が進塁を果たす際に記録されます。このような現象は「パスボール」とも呼ばれ、英語では「Passed ball」と表現されます。また、この捕逸に関するルールは、公認[[野球規則]]の9.13に明記されています。

捕逸と暴投の違い

捕逸と混同しやすい用語に「暴投（ワイルドピッチ）」があります。暴投は、投手の投球が捕手の捕球可能な範囲を外れてしまった場合に記録されます。つまり、捕逸は捕手が捕球できるコースにあったがキャッチできなかったことを指し、暴投はそもそも捕手が触れることができない範囲の投球を意味します。このように、捕逸と暴投は異なる行為であり、記録上も区別されています。

さらに、捕逸は失策には分類されません。これは、バッテリーがボールを扱う機会が他の選手に比べて圧倒的に多いため、投球に関するミスを特別に扱う必要があると考えられているためです。

捕逸が記録されない場合

捕逸が付かない特殊なケースも存在します。たとえば、捕手が第3ストライクを正規に捕球できなかった場合、打者や走者が出塁・進塁を試みる状況では、捕逸ではなく、結果的にアウトとなったプレイに基づく進塁として記録されるのです。これにより、打者には三振が、走者には記録されるアウトが付けられます。また、打者が出塁した場合には「振り逃げ」として記録されます。

さらに、走者が捕逸の状況を判断する前に盗塁を試みていた場合、盗塁のみが記録されます。ただし、捕手が捕れなかったことにより追加で進塁した場合には、盗塁と捕逸の両方が記録されます。

捕逸の記録

捕逸に関する記録には歴史的なデータがあり、特にメジャーリーグベースボール（MLB）における通算最多捕逸やシーズン最多捕逸、1試合最多捕逸、1イニング最多捕逸といった記録があります。いずれも、ナックルボーラーが登板している時の記録であることが多いです。また、19世紀には1イニングに5つの捕逸が記録されたというエピソードもあります。

一方、日本プロ野球（NPB）にも捕逸に関する記録があります。シーズン最多捕逸や通算最多捕逸、さらにはシーズン最少捕逸といったさまざまなデータが蓄積されています。これらの記録は、野球のプレーにおいて非常に興味深い側面を提供しており、ファンにとってはスリリングな要素となっています。

まとめ

捕逸は、野球のプレーの中で重要な役割を果たす要素であり、投手と捕手の連携や技術が試される瞬間です。そのため、この用語や関連するルールを理解しておくことは、より深く野球を楽しむために不可欠です。

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