タウシュベツ川橋梁

幻の橋、タウシュベツ川橋梁

北海道上士幌町の糠平湖にひっそりと佇むタウシュベツ川橋梁。かつて旧国鉄士幌線で活躍したコンクリート製のアーチ橋は、ダム湖に水没し、その姿を季節や水位によって大きく変えることから「幻の橋」と呼ばれています。

歴史

1939年、旧国鉄士幌線の延伸に伴い、音更川の支流であるタウシュベツ川に架けられました。しかし、糠平ダムの建設により、1955年にルートが変更され、わずか16年でその役目を終えることになります。線路は撤去されましたが、橋梁自体は湖の中に残され、現在に至ります。

特徴

タウシュベツ川橋梁は、11連のアーチが連なる美しい姿が特徴です。特に、よく晴れた風のない日には、湖面に橋が反射し、まるで眼鏡のように見えることから「めがね橋」とも呼ばれています。その姿は、古代ローマの水道橋を彷彿とさせ、周辺の自然と調和した景観を作り出しています。

糠平湖の水位と橋梁

糠平湖は、発電のために水位が大きく変動します。そのため、橋梁全体が水没してしまう時期もあれば、全貌を現す時期もあります。この変化こそが、タウシュベツ川橋梁が「幻の橋」と呼ばれる所以です。訪れる時期によって異なる表情を見せる橋梁は、訪れる人々を魅了し続けています。

1月頃：糠平湖の水位が下がり、凍結した湖面に姿を現す
1月～5月頃：橋梁の姿を見ることができる
9月頃：雪解け水や雨の影響で水没する

現在の状況と課題

橋梁は、長年の風雨や水圧、凍結などにより老朽化が進んでいます。一部崩落も確認されており、保存が課題となっています。しかし、その立地の悪さから、具体的な保存措置は講じられていないのが現状です。

アクセス

タウシュベツ川橋梁へは、国道273号沿いの駐車場から展望台へ向かうことができます。また、糠平三股林道を通って橋梁の近くまで行くこともできますが、許可車両以外の通行は禁止されています。徒歩での林道通行は可能ですが、約4キロメートルの道のりがあり、ヒグマの生息地でもあるため、十分な対策が必要です。

訪れる際の注意点

ヒグマ対策：熊よけの鈴を装備するなど、対策を万全に
天候：天候によっては、橋梁が見えない場合も
服装：歩きやすい服装、滑りにくい靴で

まとめ

タウシュベツ川橋梁は、その美しい姿と儚さから、多くの人々を魅了する場所です。訪れる際には、自然への敬意を払い、安全に配慮しながら、その神秘的な姿を堪能してください。上士幌町鉄道資料館では、士幌線や他の橋梁に関する資料も展示されていますので、合わせて訪れることをおすすめします。

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